ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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2-㊼ 教会の地下は…

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 訓練している間に気づけば1週間が過ぎていた。

 訓練している時に気がついたんだけど、ブラディーボールの能力を使いながら訓練すると普通に訓練するよりも何倍かの効果があったんだ。

 おかけで筋力も精神力も鍛えられたと思う。

 今朝、獣人のパルさんから手紙が来ていたので読むと教会に潜り込んでいた獣人さんが鍵のかかった部屋に入れたみたい。

 部屋の中は…。

「おい、何を真剣に読んでいるんだ?」

「ひゃっ!」

 緊張しながら読んでいたので、後ろから声をかけられて驚いて変な声がでちゃったよ。

 でもこの声は…。

「ヴァン様…驚かさないで下さいよ」

「は?普通に声をかけただけだぞ。それよりその手紙は誰からだ?」
 
 ヴァン様が指差しているのはパルさんからの手紙だ。

「パルさんからです。ヴァン様が言っていた地下室に鍵のかかった部屋があって前回の手紙では入れなかったらしいのですが、今回は潜入に成功したと書いてありますよ」

「それで部屋の中については何か書いてないのか?」

 ヴァン様も相当気になるみたい。

「部屋の中は…真っ黒だったそうです」

「真っ黒…何だそれは?」

 僕も最初に読んだときはそう思いました。部屋の中に入って色で答えるなんてあまり聞いたことがないよね。だけど読み進めるとだんだんとわかってきた。

「それが、どうやら邪教の祭壇等がある全てが真っ黒で統一された部屋だったそうです」

「邪教だと!?」

 ヴァン様が大きな声を出して驚いている。邪教に何かあるのかな?

 僕の知識にあるこの国の邪教って確か…魔物信仰の事を言ってたはずなんだよね。

 魔王復活みたいな…。

 魔王復活!?

「お前もやっと気がついたみたいだな」

 ヴァン様が僕が慌てている様子を横目で見ている。

「奴らの狙いは魔王復活だったというわけだな」

「ど、どうしましょうか。魔王復活なんてことになったら世界が…」

 世界が滅んでしまうかもしれない…。怖くて僕は口に出せなかった。

 あれ?でも…どうやって魔王を復活させるんだろうか。

「…質問しても良いですか。魔王ってどうやったら復活するんですか?」

 ヴァン様がまた呆れた様な顔をした。

 もしかしてこれって誰でも知っているような常識だったのかな。でも…学校でも教えてもらってないと思うんだけどな。もしかして、忘れてるのかな?

「はぁ~。本当に私の一族なのか…」

 頭を抱えて頭を横に振っている。でも、そんなことをしても僕はヴァン様と同じ一族ですよ!

「魔王を復活させるには…」

 ゴクッと僕の唾液を飲み込む音が聞こえるくらい張りつめていて静かな部屋でこの後、僕の大声が響いた。

 
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