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2-㊺ フルド気合いをいれる
しおりを挟むヴァン様、いつの間にマリーアさんにプロポーズして結婚することになったのか…。
「なぜ教えてくれなかったんですか?」
「いや、この案件が片付いたら話そうとマリーアと話はしていたんだ」
マリーアって呼び捨て!?そんなに仲良くなってたんだ。
「へぇ~。いつの間にマリーアさんの事を呼び捨てにできる仲になっていたんですね」
僕は拗ねた様子をヴァン様にわざと見せつけた。
「コホンッ…。今はそれどころじゃないだろ、終わったらキチンと話すから待て」
ハイハイ、待ちますよ。確かに今はそれどころじゃないのはわかってますよ。
だけど気持ちはスッキリしないんだよ。
「今後の作戦だが…お前は獣人からの連絡を家で待っている方が良いだろうな。出歩くのは止めておけ。私はまた教会に戻って探りを入れてくる。何かわかったらお前に会いに行くからそれまでは絶対に一人で出歩くなよ」
やけに念を押すけど、どうして家に居ないといけないのだろうか。
「どうしても家に居ないとダメですか?」
チラリと僕を見たヴァン様がコイツは何もわかっていないなという顔をしながら溜め息をついた。
「お前は獣人達と接触しすぎている。このままだと聖女側の人間にバレる可能があるから家で大人しくしていろと言っているんだ」
そうなのか…。
「わかったら家で自分の能力をアップするように鍛練でもしていろ!」
捨て台詞の様にそれだけを言い終わるとヴァン様がコウモリの姿に変身して飛び立ってしまった。
あ~あ、もう少しマリーアさんとの話を聞きたかったな。こうなると事件を早く解決するしかないのかな。その為にもヴァン様に言われた能力アップの鍛練でもしようかな。
でも…何の鍛練をしようか?
今回のブラディーボールの能力は使うのは危険だよね。
あっ、そうだポルさんとの契約でできたブラディーボールの能力の肉体と精神の強化をすれば良いのか!
肉体はわかるけど…精神を鍛えるって何をすれば良いのかな?
恐怖に耐える?
痛みに耐える?
辛さに耐える?
それとも視点を変えて誘惑に耐えるとか?
もしくは…全てに耐える?
う~ん…どれが正解なんだろうか。
「よし!悩んでいても仕方ないから取り敢えず全部試してみるか!」
僕は気合いをいれるために自分の頬を軽く叩いた。
何が役に立つかはわからないけど、やることに意味があるような気がするしね。
ヴァン様が驚くくらいに能力をアップしてやろうじゃないか!
もう、物好きとは言わせない!
見てろよ!ヴァン様!!
あれ…趣旨が変わってる?まあ、良いか。
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