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2-㊶ 獣人さんにお願いします
しおりを挟む僕はヴァン様に言われた通りに獣人のポルさん達の所に向かった。
上手く説明できるか自信がない。心臓がバクバクしてるよ~!
…って、もう目の前にはポルさん達がいるんだけどね。
「それで話とは何ですか?聖女の事で何かありましたか?」
パルさんは相変わらず鋭いですね。僕は緊張しながらも話を始めた。
「実は…聖女との接触は上手くいったのですが…どうやら根本の原因が教会本部にありそうなんですよ」
僕の話を聞いていたポルさんとパルさんはあまり驚いていなかった。
「やはりそうでしたか…。私達もそうではないかと薄々は感じていたのですが、証拠がなくて何もできなかったのです」
パルさんも気がついてたんだ。やはり王族と言うべきなのかな。
「そこで…お願いがあるのですが聞いていただけますか?」
「私達で協力できることならやりますよ」
どうなるかと緊張してたけど、あっさり引き受けてくれちゃったよ!
「良かった…。どなたかに実は教会に潜入してほしいのです。僕は長い時間教会にいると体調を崩すかもしれないので潜入することができないんです」
「まあ、そうなの!?」
ポルさんが驚いたように声をあげた。
「そうなんですね…わかりました。私も妹も顔が知られている可能性があるので、誰か他の者に頼んでみます」
「ありがとうございます。よろしくねお願いします」
すんなりと話し合いがすんでホッとしていたらポルさんが僕の隣に座ってきた。すぐに帰るつもりだったんだけど…どうやらそうはいきそうにないみたいだ。
「ねぇ、フルドさん」
「はい。何でしょうか…」
「聖女と契約は済んだのかしら?」
やはりそれが聞きたかったのか。この場合は全部嘘だとバレやすいから少しは本当の事を言わないといけないんだってヴァン様が言ってたよな。
「契約はしましたが…残念ながらブラディーボールの能力は人の能力を奪うものではありませんでした。力になれずすいません」
あからさまにガッカリした様子のポルさん。パルさんはポーカーフェイスでどう思ったのかわかりにくい。
「そうなのね…。残念だわ」
そう言って隣の席を立つポルさん。そんなに残念そうに言われると悪いことをしたみたいで申し訳ないと思っちゃうな。
「あっ、でも皆さんが国に帰ることができるように微力だと思いますが協力はします」
その言葉に反応したのはポルさんではなくてパルさんだった。
「本当ですか!?ありがとう!実はお願いしたい事があったんですよ」
あれ?なんだか違う方向に話がいきそうな予感がするのは僕だけなんでしょうか?
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