130 / 169
2-㊴ 敵は…
しおりを挟む「え…王様が…」
聖女の魅了作戦が上手いって、王様の所に行っていたヴァン様と合流したんだけど、そのヴァン様から驚きの話を聞いてしまった。
「たぶん…この城内全体…いや、私達を除くここに居るもの全員と言った方が良いかもしれんな」
「そんな…一体誰がそんな事を…」
ヴァン様はコウモリの姿から人間の姿に戻り周りを見回している。
「これは聖女が犯人ではなく、誰かが後ろで聖女を操っていると考えた方が良さそうだ。今回の作戦だけでは終わらないし、時間がかかるかもしれないが早く解決しないと…」
そんな~!聖女の魅了作戦が上手くいって喜んでいたのに終わりじゃないの~!!
「情けない顔をするな。この王城での異変が他国に知られる前に何とかしないと戦争になるかもしれないんだぞ」
ヴァン様が怖い顔をしている。
「戦争ですか?」
「考えてみろ、王族達が全員変な術にかけられていて自分の意思では動けないし、話せない状態なんだぞ。侵略をするなら絶好のチャンスだと考えると思うぞ」
確かに…。
ヴァン様が王様に会いに行くとそこには寝台に寝たまま動かないし、話さない、ただ目を開けたままの王様がいたらしい。だけど精神はしっかりしていたみたいでヴァン様の姿を見て涙を流したんだって。
ヴァン様は王様に色んな方法を試してみたけど術を解くことはできなかったらしい。ヴァン様ができなかったって…余程だと思うんだよね。
王様がそんな状態だったので城内をコウモリの姿で探ってみたら他の城勤めの人達は身体は動くけど自由に話せない状態だったみたい。ただ決まり文句みたいな言葉をずっと話していたらしい。
いつからこんなことになっていたんだろうか?
「これは、アイツ達の仕業かもしれん。私の嫌いな匂いがするし、こんなことをやりそうなのはあのバカ達だけだろうな」
どうやらヴァン様は犯人の目星がついているみたい。アイツ達って誰だろう?一人ではないってことだよね。
「ヴァン様の知り合いなんですか?」
僕が聞いたらヴァン様はすごく嫌そうな顔をした。
「知り合いとも言いたくない様な奴らだ。私達一族の天敵だからな」
「僕達の天敵ですか?」
ヴァン様だけじゃなくて一族全員の天敵なんか居たかな?
「大昔から私達一族を滅ぼそうとしてきた歴史があるし、実際に私も何度か戦った事がある」
「え!ヴァン様と戦ったんですか!?」
それでもその人達は生きてるの?
じゃあ、普通の人間じゃないのかな。普通の人間なら何百年も生きていられないよね。
「今はアイツ達の子孫になっているだろうが…やっていることは変わり無さそうだな」
不敵な笑みを見せるヴァン様。
「それって…」
「教会の奴らだ」
教会!?教会がこんな悪いことするの!?
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる