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2-㉟ やっぱり頼るのはあの人
しおりを挟む僕一人では考えがまとまらなかったので、結局はヴァン様に相談することにしました。
僕もまだまだヴァン様との縁は切れそうにないよ。困った時のヴァン様頼み…にならないようにしないといけない。現状…なってるけどね。
ヴァン様の自宅を訪ねるとちょうど外にヴァン様が出ていた。
「また来たのか?」
ヴァン様が僕の顔を見た途端に迷惑そうな顔をする。
「そんな言い方をしなくても良いじゃないですか」
そりゃ、いつも面倒事しか持ってこないけど…。
「今度は何だ?」
「実は…」
僕は今回のあらましをヴァン様に話した。
「まったく…お前は何かに巻き込まれる様に動いているのか?」
ヴァン様が大きなため息をつきながら頭を抱えている。
「僕はそんなこと考えていませんよ。いないけど…そうなるんです」
ヴァン様がまたまた大きなため息をつく。
「今回はお前だけでは無理だろうな」
「…やっぱりそうですか」
人数が多すぎるし、相手が両方王族関係だからね。
「しかし…噂には聞いていたが聖女がそんな人物だったとは…」
こんな変境地にも聖女の噂が聞こえてたんだ!その事に驚きだよ。
「あの…どうすれば上手く立ち回れると思いますか?」
こんな時は経験豊富なご先祖様を頼るしか思いつかないよね。
「聖女には私が対応しよう。魅力の力を奪えばもう悪さは出来ないだろうからな」
「え…魅力の力を奪えるんですか?」
今、さらっと凄いことを言いましたよね。
「それくらいはできる。だからお前はその後に聖女に魅力をかけろ。そしてその後に王様に謁見するんだ」
「なぜ王様と謁見!?」
「獣人達に国を返還するにはそれが絶対に必要だ。おそらくだが…王様は臥せっておいでだと聞いている。お元気ならここまで聖女のやりたい放題にはなっていないはずだ」
さっきから聞いてて思ったんだけど、もしかしてヴァン様王様と知り合いなのかなって感じがするよね?
「あの…もしかして…ヴァン様は王様と知り合いですか?」
「言っていなかったか?昔からの知り合いだ」
出たよ!ヴァン様の謎の交遊関係!?驚きすぎて呆気にとられているとヴァン様が僕の頭に手をあてて髪の毛をくしゃくしゃにした。
「何するんですか!」
「アホ顔になってるぞ。この国の未来がお前に任されているんだからそんな顔を見せるな。ここからが勝負なんだぞ」
急に責任が肩にのし掛かってきた感じだ。
「獣人達の方は聖女達の作戦が上手くいってから考えないとな。交渉して国を還してもらえるなら簡単なんだが…」
なるほど。理解が追い付いてきました!
「それで…」
僕とヴァン様の作戦会議は夜遅くまで続きました。
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