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2-㉛ 聖女らしき女性
しおりを挟む大きな白い部屋に高そうなシャンデリア、高そうな調度品…。何も触れないように気を付けないといけないなとソファーで待っている僕は考えていた。
ルシアさんから話を聞いた僕はすぐに聖女に会うことをルシアさんから伝えてもらった。
返事はすぐに来た。
日時も指定され、教会にある自分の部屋に一人で来てほしいと手紙にかいてあったので、僕は一人で教会にやって来た。
コウモリ姿のヴァン様が側に居てくれると安心するんだけど呼び出す訳にもいかないしね。
指定された時間に遅れずに来たはずなのに、なぜか僕はもう30分以上も待たされている。
聖女って時間にルーズなの?
いれてもらっていたお茶もすっかり冷めてしまっている。
もう帰ろうかなと思ったその時、部屋の扉がガチャンと開いて一人の女性が入室してきた。
でも…その姿で大丈夫ですか?
現れた聖女らしき女性はドレスではなく少し刺激の強い夜着を着てその上からガウンをはおっていた。
紫色の薄い生地で少し透けているけど…大丈夫?
僕は目を白黒させながらどこを見て良いのかと戸惑ってしまった。
「お待たせしてごめんなさい。王子がなかなか離してくれなくって…」
へぇ~、さっきまで王子と一緒だったんですね。人を呼びつけておいてそれはどおなのだろうか?
やっぱりこの人って常識がないよね。
僕はこの人の話をスルーすることにした。
「僕にお願いがあると聞いてきたのですが、ご用がないなら帰らせて頂きます」
立ち上がり部屋を出ようとしたら、慌てて聖女らしき女性が僕の腕を掴んで引き留めた。
「やだ!お待ちになって…。ねっ、少し貴方とお話がしたいの…お願い…」
自分の身体をわざと僕にあてていて気持ちが悪いな。
「分かりました。聞きますから、手を離してください」
そう僕が言うと、更に身体を密着させてきて…。
「フフッ…恥ずかしがらなくて良いのに…」
だってさ!
本当にこんな人が聖女なのか!?
早く帰りたくなってきたよ。話を終わらせてさっさと帰ろうかな。
「話ってなんですか?手短にお願いします」
「やだわ、急がないで。お酒でも飲みながらゆっくりお話をしましょう」
そう言うと侍女達が部屋にお酒やおつまみを運んできた。早く帰す気は無さそうだ。
「いえ、お酒はいりません。お話をお願いします」
「やだ、真面目なのね。そういうので私の気をひくと言うのもありね」
何を言ってるんだこの人?話が通じてなさそうだ。
「仕方ないわ…。実はね貴方の力を私の為に使ってほしいの。無料でとは言わないわ、報酬はお金でも私でも好きなものを言ってくれれば良いのよ」
…なんだこの人!?
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