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2-㉔ ここが家?
しおりを挟むあの後もヴァン様から獣人の事について色々と教えてもらった。本当はもう少し話を聞きたかったんだけど「もう帰れ!」とヴァン様に家を追い出された。
今は自分の家に帰ってきて考えを整理しているんだけど…。
まとまらないよ。
やっぱり本人達に直接聞いた方が良いのかもしれないという気もしてきたんだよね。
国が無くなったとはいえ、元王族なわけだし世が世ならポルさんはお姫様ってことになるわけだし、そんな人を僕のブラディーガールにしても大丈夫だったのかな…。
ん?
でも…よく考えてみればヴァン様のブラディーボールをなんでポルさんが持ってたんだ。ヴァン様が獣人族の誰かと契約をしていたということになるよね。
あ~、もっと早くに気がついてヴァン様に聞けば良かったよ~!僕のバカ!!
自分の頭を自分で叩いた。
悩んでいても埒が明かないからやっぱり本人に会って聞いてみよう。
僕は意を決してポルさん達に会いに行くことにした。
ブラディーボールを持っていれば道しるべになってくれるから便利だ。
少し薄暗くなってからマントをつけて光の指す方を目指して飛んだ。
光が指し示したのは山の中にある洞窟の入り口だった。
「ここ?」
到底家には見えない、ただの採石場だと言われた方が納得できるんだけど。
だけどブラディーボールが間違うはずはないしな…。
「あの~、すいませーん!!誰か居ませんか!」
見たところ呼び鈴みたいなものも何も無かったので大きな声を出してみた。
…反応無いな。
「…は~いぃぃ~」
遠くの方で小さい声がこだまのように聞こえてきた。
誰かは居るみたいだ。
少し待つことにした。
すると穴の中からポルさんが出てきた。
「あれ?フルドさんがどうしてここに?」
ポルさんは僕を見るなり不思議そうな顔をしている。確かにいつ行くとか約束はしていなかったけどね。
「少し聞きたいことがあって来たんですけど、少しお時間いただけますか?」
「え?今からですか…。少し待っていてもらえますか」
ポルさんはそう言うと先ほど来た方に引き返していった。しばらく待っていると今度はパルさんも一緒にやって来た。
「いらっしゃいフルドさん。今日は妹に話があるんですか。良かったら中にどうぞ」
パルさんが、僕を洞窟の中に手招きしている。
「あのできればパルさんにもお聞きしたいことがあるので予定が無ければ一緒にお話しをさせてもらいたいんですが、どうでしょうか?」
パルさんとポルさんは顔を見合わせて不思議そうにしながらも了承してくれた。
さあ、獣人の国、王族何から聞くかな…。
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