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2-㉓ これって危ない感じですか?
しおりを挟む「なんだそうだったんですね…。僕はてっきりヴァン様の子供かと…」
ジロリとヴァン様にまた睨まれる。
家の中に居たのはマリーアさんとヴァン様、それからマリーアさんの友人の赤ちゃんだった。
マリーアさんのシングルマザーの友人が病気で入院することになりその間赤ちゃんの面倒をみるように頼まれたんだってさ。
「ふぎゃ~!」
「よしよし、どうしたんだ?」
「お腹が空いたのかも。ミルクを温めてきますね」
「わかった」
なんだか良い雰囲気。
こうやって赤ちゃんの面倒をみている二人を見ていたら本当に二人の赤ちゃんみたいに見えるんだよね。
…って、今日はそんなことを言いにきたのではなかったよ。
獣人の事について聞きにきたんだった。
「あの~、忙しいところを悪いんですが…少しお聞きしたいことがありまして…」
赤ちゃんをなだめているヴァン様に近づき話しかける。
「何を聞きたいんだ?」
機嫌悪いな。まだ睨んでるよ。
「獣人について聞きたいんだけど…」
「獣人?獣人の何を聞きたいんだ」
「実はこの前契約したブラディーガールが獣人なんだけど…ボールを確認したら王族ってでてきて…」
どう説明をしたらいいのか難しいな。
「なに!獣人の王族!?」
「ふぎゃ~!!!」
ヴァン様が大きな声を出したものだから落ち着きかけていた赤ちゃんがまた泣き始めた。
「もう!ヴァンってば何を急に大声を出しているの!」
ミルク瓶を手に持ったマリーアさんが怒りながら帰ってきた。
ヴァン様ごめん。
ヴァン様はマリーアさんに怒られて赤ちゃんをマリーアさんに取り上げられてしまったみたいだ。
あっ、ヴァン様が僕の方にやってきた。
「お前のせいで怒られてしまったではないか」
「すいません」
謝るしかないですね。
「しかし…獣人の王族か…また凄いのを引き当ててきたな」
ヴァン様は腕組をしてため息を一つついた。
「獣人については知っているのか?」
「それは本とかで読んだ事があったので知ってます」
「そうか。この国では少ないが他国だと獣人だけの国というのも昔はあったんだ」
昔はあった?ってことは今はないってことなのかな。
「昔の話だが戦争に負けて獣人の国は滅びたんだ。我々もあの時は驚いた。獣人族は最強の肉体を持つと言われていた戦闘民族だったから負けるとは思っていなかったんだ。今は色んな国に散らばって生活をしているみたいだが…まさか王族がこの国に来ていたとは知らなかった」
もしかしてこれって秘密にしてないといけないやつですか?危ない匂いがプンプンしてます。
もしかして僕はとんでもない人をブラディーガールにしちゃった?
どうしよう…。
新しい年になりましたね。
今年も引き続き読んで頂けると嬉しいです。
本年もよろしくお願いします。
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