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2-⑮ 偶然の出会い
しおりを挟むジェシカさんの手紙を読んでから数ヶ月経過した。まだ僕の心は落ち着かないでいる。
女性の気持ちは本当に理解しにくいよ!
目で見える道具とかがあれば悩まなくてもすむのにな。まあ、こんなことを考えていても仕方ないとは分かっているけど…。
新しいブラディーガール探しをしないといけないけど迷っているんだよね。
前まで両親がお見合いだなんだとうるさかったんだけど、最近はそれが静かになったからと言うのもあるんだけど。
でもこのままだといけないよね。
…と言うことで、今夜は久しぶりにブラディーガール探しに出かけることにしました。
今宵は新月だから新しい出逢いがあるかもしれないよね。
ブラディーボールの光を頼りに夜空を飛んでいると地上の方から人の話し声が聞こえてきた。
いくら夜で静かだとはいえ、この距離で聞こえてくるって…いったいどんな人が話をしているのか気になったので気づかれないように近くの地上に降りた。
「だから、絶対にこの道は左に行くべきだ!」
「いや、絶対に右だ!地図だとこちらに行く方が曲がり角が少ないように見えるだろ!」
こっそりと声のする方を除いてみると20歳くらいの男性と同じ歳くらいの女性が言い争っている様子が見えた。
顔が似てるから兄妹かな?
だけどこんな夜中に何処に向かっているんだろう。この道は夜に通るには危険なはずなんだけどな。知らないのかな?
乗っている馬車もお世辞にも頑丈そうには見えない。あの馬車だと獣に襲われたらすぐ壊れそうだ。
もしかして道に迷ってこんな時間になったのか?
この時、僕の中のお節介心に火が付いた。
「今晩は。何をそんなに揉めているのですか?」
僕は揉めている2人の後ろから声をかけた。
2人は驚いた顔をして僕の方に振り返った。
「え!?嘘、人間?」
「え!?こんなところで、こんな時間に?」
さっきまで揉めていたのが嘘のように2人で顔を見合わせて驚いている。
そんなに驚く?自分達も人間だよね。
でも、僕まで揉めたくないから取り敢えず謝っておこうかな。
「道に迷っているのかと思って思わず声をかけたのですが…驚かせてしまったようですいません。僕は家に帰る途中なのですがこんな時間になってしまって…」
怪しまれるから家に帰る途中だと言うことにした。空を飛んでて気になりましたとは言えないからね。
「あっ、すいません。失礼な事を言ってしまって…。私達は配達の途中で道に迷ってしまったみたいで、言い合いになっていたんです」
男性の方が僕にペコペコと頭を下げながら話してくれた。
「キャッ!何これ!?」
もう一人の女性が急に大声をあげたので驚いてそちらを見ると女性の鞄が光っていた。
え…もしかして…もしかする?
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