ブラッディーガールを探せ!

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2-③ 父さんの長い話し

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 その昔、我々ヴァンパイア一族は地底に国を作り住んでいた時期があった。

 地底だが何不自由無く平和な国だったと聞く。

 その他の国と変わり無く王族が居て国民が居ると普通の国、ただ違うのは全員がヴァンパイアだったということだ。

 王族はヴァンパイアの一族中でも最強と言われる一族だったのだが、何故か跡継ぎには恵まれなかったと聞いている。

 男児を授かっても大人になることはなく、女児だけが生き残ることができたらしい。だから代々女王が国を治めていた。

 それで悲劇がおきたのだ…。

 ある一人の女王が他国の国の王族に恋をした。次男なら問題は無かったのかもしれないがお相手は長男の皇太子だったから許されるはずもなく結ばれる事は叶わないと国民は思っていた。

 ところが女王がある日突然宣言をした。

「この国は私の結婚と同時に地上の国と合併します!」

 国民は当然驚いた。

 そして国民の前に表れた女王を見て気がついた。あの皇太子と別れていなかったのだと…。なぜなら女王のお腹が大きくなっていたからだ。

 そして国民は荒れた。賛成する者、反対する者。

 しかし、その時運悪く質の悪い病が流行り国民は弱り誰も何も言う事が無くなってしまた。

 結局…国は地上の国と合併したのだが…。

 合併してからの我々に対する扱いが酷すぎたせいでヴァンパイアの国から人が減っていったそうだ。

 そんな時、女王が魅了の魔法にかけられていた事が一人の旅人によって暴かれた。

 ヴァンパイア一族の力が欲しかった国が魅了の力を利用して女王を操っていたらしい。

 それを知って一番ショックを受けたのは女王だ。

 一生に一度の愛だと思い、国の女王ではなく王妃という立場になることを選び、国を合併する道を選んだのに、それが魅了にかけられていたからだと告げられたのだからショックは大きかったみたいだな。…当たり前だな。

 しかもその時にはすでに子供を生んでいたらしいし、引き返しができる状態では無かったらしいからね。

 だが、そこからが凄かった。

 騙されていたと知った女王は復讐の時を待ちながら、その時の為に準備をした。

 自分の娘が成人したら復讐をすると決めていたそうだ。

 この時まだ相手には気がついた事を悟られないように演技をしていたらしい。

 見事に相手にばれること無く成人の日を迎えたその日…合併した地上の国でクーデターが起こった。

 女王が計画したヴァンパイア一族によるものだった。

 クーデターは呆気なかっらしい。数ヶ月かかるかと考えていたらしいが、結果3日で終了したそうだ。

 その後、地上の国は地図上から消滅し、ヴァンパイア一族も散り散りなった。

 お前のお見合い相手の姫様はその時のクーデターの指揮をとっていたお方なんだぞ。

 …父さんの長い昔話がやっと終わった。

 話していた本人は満足そうだけど…。


 だけど気になるのはそこじゃない。
 

 あの写真って嘘なの?勇ましい姫様なの?

 もしかして、筋肉ムキムキだったりする?

 聞いてないよ~!


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