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2-① 気になる女性?
しおりを挟む「フルド、久しぶりだな!」
ウルが僕の肩を後ろから叩いてくる。
学校は卒業の学年になると月に半分くらい通うだけで良い事になっている。それは自分の領地の勉強だとか、婚約者探しとか色々とあるからなんだけどね。だからウルともしばらく会っていなかった。
「久しぶりだね、ウル。あの件はどうなった?」
僕は会うなり気になっていたことを聞いた。
「あ~、あれね…。決まりそうと言えば決まりそうみたいな?」
「何そのはっきりしない感じは?」
何でも物事をハッキリ言う事が多いウルがやけに濁してくるから余計に気になるよ。
「ん~、なんだ…一族の幼馴染みなんだよ。だから今更なぁ…婚約者にどうかと言われてもピンとこないと言うのか…」
そう、僕が気にしていたのは婚約者探しの話なんです。ウルも決まった相手がいなかったから聞いてみたんだけど、まさかの決定!?
ウルは仲間だと思っていたのに~!
「相手は何て言っているの?」
ウルは少し照れ臭そうに顔を赤くした。
「いや…アイツはその…俺なら良いと言ってくれたみたいなんだ」
なんだ、両思いだったってこと?
「え?ウルにそんな人が居たなんて知らなかったよ。おめでとう!だけど…それならそうと教えてくれよ~!結局、僕だけが婚約者探し続行か…」
僕は大きなため息をついてガックリと落ち込んだ。
「いや、ほら、フルドは俺より優しいしすぐに良い相手が見つかる…と思うぞ」
ウルの正直者め!少し間があったのに気がついてるぞ。
「…ありがとう。頑張るよ」
久しぶりにウルに会えたのは嬉しかったけど、気持ちが落ち込んでしまった。僕にも幼馴染みが居たら良かったのにと考えてしまうよ。まあ、そんなご都合主義には進まないよね。
自力で探すしかない!両親に任せると、とんでもない事になりそうな気がするから、その前に決めないとね!
僕は、以前にお見合いをしないかと見せられた令嬢の写真を思い出した。
両親は顔見知りらしく凄い勧めてきたけど…お断りしたんだよね。
理由?理由は…年上過ぎるから…かな。
確かに写真を見たら凄い美人で驚いたんだけど、歳を聞いたらもっと驚いたんだよ!
だって、僕より100歳も年上なんだよ!
いくらなんでも百歳上を勧められても…。
それはないよね~。
あっ、でもヴァン様の所はそうなるのか?
あれ?もしかしてありなのかな。
年上の女性でしかも一族の人間なら僕のブラディーガールの事にも理解があるかも!
そうだよ!何で気がつかなかったんだろう。これは一度会ってみた方が良い?
会うだけなら…会うだけで婚約とかにならないよね…?
ならないよね…。
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