ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

文字の大きさ
上 下
92 / 169

2-① 気になる女性?

しおりを挟む

「フルド、久しぶりだな!」

 ウルが僕の肩を後ろから叩いてくる。

 学校は卒業の学年になると月に半分くらい通うだけで良い事になっている。それは自分の領地の勉強だとか、婚約者探しとか色々とあるからなんだけどね。だからウルともしばらく会っていなかった。

「久しぶりだね、ウル。あの件はどうなった?」

 僕は会うなり気になっていたことを聞いた。

「あ~、あれね…。決まりそうと言えば決まりそうみたいな?」

「何そのはっきりしない感じは?」

 何でも物事をハッキリ言う事が多いウルがやけに濁してくるから余計に気になるよ。

「ん~、なんだ…一族の幼馴染みなんだよ。だから今更なぁ…婚約者にどうかと言われてもピンとこないと言うのか…」

 そう、僕が気にしていたのは婚約者探しの話なんです。ウルも決まった相手がいなかったから聞いてみたんだけど、まさかの決定!?

 ウルは仲間だと思っていたのに~!

「相手は何て言っているの?」

 ウルは少し照れ臭そうに顔を赤くした。

「いや…アイツはその…俺なら良いと言ってくれたみたいなんだ」

 なんだ、両思いだったってこと?

「え?ウルにそんな人が居たなんて知らなかったよ。おめでとう!だけど…それならそうと教えてくれよ~!結局、僕だけが婚約者探し続行か…」

 僕は大きなため息をついてガックリと落ち込んだ。

「いや、ほら、フルドは俺より優しいしすぐに良い相手が見つかる…と思うぞ」

 ウルの正直者め!少し間があったのに気がついてるぞ。

「…ありがとう。頑張るよ」

 久しぶりにウルに会えたのは嬉しかったけど、気持ちが落ち込んでしまった。僕にも幼馴染みが居たら良かったのにと考えてしまうよ。まあ、そんなご都合主義には進まないよね。

 自力で探すしかない!両親に任せると、とんでもない事になりそうな気がするから、その前に決めないとね!

 僕は、以前にお見合いをしないかと見せられた令嬢の写真を思い出した。

 両親は顔見知りらしく凄い勧めてきたけど…お断りしたんだよね。

 理由?理由は…年上過ぎるから…かな。

 確かに写真を見たら凄い美人で驚いたんだけど、歳を聞いたらもっと驚いたんだよ!

 だって、僕より100歳も年上なんだよ!

 いくらなんでも百歳上を勧められても…。

 それはないよね~。

 あっ、でもヴァン様の所はそうなるのか?

 あれ?もしかしてありなのかな。

 年上の女性でしかも一族の人間なら僕のブラディーガールの事にも理解があるかも!

 そうだよ!何で気がつかなかったんだろう。これは一度会ってみた方が良い?

 会うだけなら…会うだけで婚約とかにならないよね…?

 ならないよね…。

 






 

 

しおりを挟む
感想 149

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

処理中です...