88 / 169
88. ヴァン様復活!
しおりを挟むヴァン様を包んでいた強い光がだんだんと薄まり中の様子を見ることができるようになった。
「…ヴァン様?」
光の中から現れたのはいつものヴァン様とは少し違っていた。
「なんだ?なぜ驚いている。この姿は見慣れているだろう」
人間の姿のヴァン様は確かに何度もみているんだけど…。
「…あそこに鏡があるので、ご自分で確認してみてください」
「は?なぜだ…」
ヴァン様は不思議そうにしながらも鏡の前に向かった。
「はぁ!?」
これは自分の姿を鏡で確認したヴァン様の第一声だ。
「な、なんだこれ…。なぜだ…方法は間違っていない…はずだ。それなのに…」
鏡の前で自分の顔や身体を確かめるように触っている。
「僕が驚いた理由がわかってもらえましたか?」
「…ああ」
ヴァン様は僕の方を振り返ることもなく、鏡に写る自分の確認をまだしている。
そんなに気になるんだ。
「なぜ…。あっ!もしかしたら…」
ヴァン様が何かに気がついたみたいだ。
「骨だ。あれは幼い時に亡くなった親族の物だったのだ。おそらく若返ったのはそれが原因だろう…」
そう…今の発言でお分かりかと思いますが、ヴァン様の見た目が凄い若返っているんです。
見た目だと十代くらいに見えるんだよ。前のヴァン様もカッコいい!!!って感じだったけど、若返ったヴァン様はキラキラ美少年という言葉がピッタリだと思う。
その遺伝子はどこで変化したのかな?もう少し僕にもキラキラな遺伝子が欲しかったよ。
でもこの見た目なら…。
「これであの人にも堂々と会いに行けますね。もしかしたら一目惚れとかされるかもしれませんよ」
この見た目なら女性の視線を惹き付けるだろう。
マリーアさんも年頃の女性だからね。きっと今のヴァン様の姿を見たらドキドキしちゃうんじゃないかな。2人には幸せになってほしいと思っているからね。
「な、何を言って…。大人をからかうな!」
顔を真っ赤にして睨まれても…ねぇ。
少年姿もあいまって可愛らしさがアップしてるよ。
「それで…今から会いに行かないんですか?」
「なっ!…お前には関係ない」
え~!今更関係ないはないでしょう。ブラディーボールを取り戻すのを頑張ったのは僕ですよ。
「…今日は遅いから、また別の日に行く」
これまた顔を赤くしながら答えるヴァン様…可愛い!
「マリーアの元に行くならここには帰って来ない事になるからな。準備をしなければ…」
………?
今、何かおかしな言葉が聞こえたような気がしたんだけど…気のせいだよね。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。


【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる