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84. ヴァン様どこに?
しおりを挟む「ヴァン様お待たせしました」
地上の出口に到着して第一声だった。
しかし、待ってくれているはずのヴァン様の姿が見当たらない。
「ヴァン様~!ヴァン様~どこですか?」
もしかして、待たせ過ぎて怒って先に帰ったとか?
いや、いくらヴァン様でも今回に限ってはそんな事無いはず…だよね。
回りを歩きながらヴァン様の姿を探してみた。…が、やはりどこにも姿がない。
もしかして何かがあった?
コウモリの姿をしているから獣に襲われたとか…。でも、それくらいならヴァン様は対処できそうだよね。じゃあ、人間?
嫌な事を自分でも考えたと思って後悔した。
だけど…これしかヴァン様の居ない事を説明できない。
一体誰が何のためにヴァン様を連れていったんだろう。
こんなことなら一緒に地下に行ってもらうんだったと思ったが、今更だよね。
今はどうするかを考えないと!
とりあえずもう少し範囲を広げて探してみよう。それでも見つからなければその時にまた考えよう。
すぐに大きな気のまわりをもう一度探索してから範囲を広げて探してみた。
…が、やはりヴァン様の姿は見当たらなかった。
「ヴァン様…どこに行ったんですか…」
どう考えてもヴァン様の意志でここから離れたとは思えなくなってきた。
どうするべきかと考えていたら遠くからケンカをしているような大きな声が風に乗って聞こえてきた。
回りには村もなかったと思ったけど…どこから聞こえてきているんだろう?
気になったので声の聞こえる方に飛んで行ったら見覚えのある姿があった。
「えっ!ヴァン様!?何をしているんですか」
もしかして拐われたのかもしれないと思っていたヴァン様がもう1人見覚えのある人と空中で取っ組み合いのケンカをしていたので驚いたよ。
『遅かったではないか!おかげでコイツと顔を合わせる事になってしまっただろう!』
だからって…なぜケンカをしているのでしょうか?この二人は顔を見るとケンカをする魔法とかをかけられているとか?
「それはすいませんでした。でも、戻りましたのでケンカを止めて下さい。話したいこともありますので早く帰りましょう」
僕が話している間も二人は手を止めないでケンカをしている。
『止めたいがコイツが止めないので無理だ!』
「おいジジイ!人のせいにするな!!ジジイが俺を見つけて声をあげるから悪いんだろうが!!」
この口調…もう誰だかわかりますよね。
「まあまあ、キュラドさん落ち着いて下さい。あっ、これミイラ一族からお土産にもらったもやしですが宜しければお分けしますよ」
実はデッドさんからお土産に特産のもやしを大量にもらったんだけど、こんなに食べきれないな~と思っていたからちょうど良いよね。
袋に入ったもやしをキュラドさんに差し出した。
「なっ!相変わらず空気の読めない奴だな!!もう良い!帰る!!!」
僕の事を凄い睨んでどっかに行ってしまった。
え?何でだろう…。
『よくやったフルド!帰るぞ!!』
ヴァン様には褒められたけど…え?何でなの?
僕って空気読めないの…?
えええーーー!!!
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