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80. 地下に突入
しおりを挟む『何だ?穴ではないな…』
ヴァン様がポッカリとあいた地面の土を見ながら言った。
不自然なほどに綺麗な長方形の形にあいているから人工的に作られたのだろうということがわかる。
「入りますか?」
何となく入って来いと言われている様な気がするんだよね。
『何かあったら人を呼んで来てやるからお前が一人で行って来い』
「え?!ヴァン様は行かないんですか?」
僕一人で地底に行って来いと?酷くないですか?
『時には子孫の成長を見守るのも先祖の愛だ』
何だそれ?!
まあ、でも確かに…もし僕がここから出てこないとなった時にはヴァン様が助けてくれると思えば心強いかもな。
「わかりました。一人で行ってきますからヴァン様はここで待機していてくださいね」
『ああ。気をつけて行って来い』
僕はゆっくりと穴の中に入って行った。中に入ると小さな灯りがついていて足元に階段があるのが見えた。歩こうか迷ったけど、飛びながら下まで降りることにした。
長い階段は途中休憩できる様な場所もあって使いやすいように工夫されているように思う。沢山の人達が利用しているのかな…。
何度かの休憩場所を過ぎてやっと階段が無くなった。
灯りが見える方に進むと大きな扉があった。
どうやって開けるのだろうか?とりあえず押してみたけど動かないし、引いてもみたけど動かない。
ここまで来たのに入れないのかな?
その時だった…。
扉がギギィーと音をたてて内側に開き始めた。
「やあ、君がフルド君かな?」
扉が開いた薄暗い先に居たのはデッドさんみたいだ。薄暗くて顔とか姿はまだハッキリと見えない。夜目がきく僕でも見にくいって…ここかなり暗いよ。
姿も顔も見えないけど挨拶をしてくれているから僕もとりあえず返さないといけないよね。
「はじめまして、フルドです。デッドさんですか?」
目を凝らしてよく見てみる。やっと姿が見えてきたよ。図鑑で見たのと同じように包帯で顔や手足を隠している。服を着ているから全身に包帯を巻いているのかはわからない。
デッドさんは身長170センチくらいでガッシリとした体格をしている。髪の毛の色は…包帯で頭を隠しているからわからない。
「ああ、そうだよ。あっ、君には少し暗すぎるかな。こっちに来てくれるかな。この場所なら少し明るくできるんだ」
そう言ってデッドさんは僕を四角い小さな建物の中に誘った。そこに入ると電気のスイッチがあったのかカチッと音がして灯りがついて見えやすくなった。
「ありがとうございます。見えやすくなりました」
「良かったよ。」
さあ、問題はここからどうやってブラディーボールについて聞き出すか…。出きるかな…不安になってきたよ。
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