79 / 169
79. 入口はどこ?
しおりを挟む手紙のやり取りをしてから数日後、僕はデッドさんに会いに行くために夜の空を飛んでいる。
どうやらデッドさん達ミイラ一族は各所を転々と移動しながら暮らしているらしい。それをライモンドさんと話している時に知ったので急いで会いに行かなくちゃと思い、今に至ります。
でも、なぜ移動して暮らしているんだろう?
夜しか出歩けないのに仕事をいちから探すのも大変なんじゃないかなと思うけどな。何か特別な理由があるのかな。
デッドさんがまだ移動していないことを祈るしかないよ。
だいたいの場所はライモンドさんから聞いたので後は目印だと教えられた大きな木を探すだけなんだけど…。
大きな木ってアバウトだな~と思ってたけど、あったよ!本当に何もない場所に一本だけ大きな木がある。その回りには木が全く生えていない…。不思議な風景だ。
『何をしてるんだ。早く下に降りるぞ!』
ヴァン様がわざと僕に身体をぶつけてきた。
そう…今回はヴァン様も一緒に来てます。最初は僕一人で行くつもりだったんだけど、話しをしたらヴァン様も一緒に行くと言って引かなかったんだよね。
気持ちはわかるような気がするけど…。何だか嫌な予感もするんだよね。この予感が当たらないと良いけどな。
ヴァン様がミイラ一族の知り合いとかに会うとか?
いや、普通に考えればヴァン様の友人だった人とバッタリ会うことは無いだろうし、もし会ったとしてもコウモリ姿のヴァン様を知っているはずもないよね。
考えすぎかな…。
『コラ!何を考えているんだ!?早く来い!』
あまりにも僕がボーと考え事をしていたからヴァン様が戻ってきて僕を翼で叩いている。
これ、地味に痛いんですよ。
「すいません…。すぐに降りますから止めて下さい」
『フン!まったく…』
僕達は大きな木の根もとに降りた。僕も教えてもらって驚いたんだけど、この木が地下への入口になっているらしいんだよ。
勝手なイメージではミイラ一族は墓場に住んでいるのかと思っていたから、今でも信じられないんだよね。
本当にここであってるのかな…。
ヴァン様と手分けして入口がないか探してみた。けど…。
『穴とかも無いな…。本当にここであっているのか?』
…ですよね。僕もそう思ってます。
大きな木の幹をココンと叩きながら一周回るがドアらしき物もない。
合言葉とかで開くとか?
その時、ゴゴゴォー!!!と凄い音が聞こえてきて地面が揺れ始めた。
『な、何の音だ!?地震か!?』
僕は急いで飛び上がり、地面から離れた。
「え?!」
さっきまでいた場所に長方形の穴があいていた。
「もしかして…これが入口?!」
僕はヴァン様と顔を見合わせた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる