ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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79. 入口はどこ?

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 手紙のやり取りをしてから数日後、僕はデッドさんに会いに行くために夜の空を飛んでいる。

 どうやらデッドさん達ミイラ一族は各所を転々と移動しながら暮らしているらしい。それをライモンドさんと話している時に知ったので急いで会いに行かなくちゃと思い、今に至ります。

 でも、なぜ移動して暮らしているんだろう?

 夜しか出歩けないのに仕事をいちから探すのも大変なんじゃないかなと思うけどな。何か特別な理由があるのかな。

 デッドさんがまだ移動していないことを祈るしかないよ。

 だいたいの場所はライモンドさんから聞いたので後は目印だと教えられた大きな木を探すだけなんだけど…。

 大きな木ってアバウトだな~と思ってたけど、あったよ!本当に何もない場所に一本だけ大きな木がある。その回りには木が全く生えていない…。不思議な風景だ。

『何をしてるんだ。早く下に降りるぞ!』

 ヴァン様がわざと僕に身体をぶつけてきた。

 そう…今回はヴァン様も一緒に来てます。最初は僕一人で行くつもりだったんだけど、話しをしたらヴァン様も一緒に行くと言って引かなかったんだよね。

 気持ちはわかるような気がするけど…。何だか嫌な予感もするんだよね。この予感が当たらないと良いけどな。

 ヴァン様がミイラ一族の知り合いとかに会うとか?

 いや、普通に考えればヴァン様の友人だった人とバッタリ会うことは無いだろうし、もし会ったとしてもコウモリ姿のヴァン様を知っているはずもないよね。

 考えすぎかな…。

『コラ!何を考えているんだ!?早く来い!』

 あまりにも僕がボーと考え事をしていたからヴァン様が戻ってきて僕を翼で叩いている。

 これ、地味に痛いんですよ。

「すいません…。すぐに降りますから止めて下さい」

『フン!まったく…』

 僕達は大きな木の根もとに降りた。僕も教えてもらって驚いたんだけど、この木が地下への入口になっているらしいんだよ。

 勝手なイメージではミイラ一族は墓場に住んでいるのかと思っていたから、今でも信じられないんだよね。

 本当にここであってるのかな…。

 ヴァン様と手分けして入口がないか探してみた。けど…。

『穴とかも無いな…。本当にここであっているのか?』

 …ですよね。僕もそう思ってます。

 大きな木の幹をココンと叩きながら一周回るがドアらしき物もない。

 合言葉とかで開くとか?

 その時、ゴゴゴォー!!!と凄い音が聞こえてきて地面が揺れ始めた。

『な、何の音だ!?地震か!?』

 僕は急いで飛び上がり、地面から離れた。

「え?!」

 さっきまでいた場所に長方形の穴があいていた。

「もしかして…これが入口?!」

 僕はヴァン様と顔を見合わせた。


 

 



 
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