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66. アレだよね?
しおりを挟むあれから数日経過して、何とかブルーブラッドの花の事件が落ち着いてきたんだけど…。
「先生あの時、部屋の中で何が行われていたのかを教えてくださいよ~」
この人…研究者のグリモアさんがあれから毎日僕を訪ねて家までやって来る様になったんです。
本当…どうにかしてほしい。
「特殊な薬を飲ませただけですよ」
それが僕の血だとは言えないからね。
「その薬の作り方が知りたいんです!一族の秘密だとは思いますがそこを教えてくれませんか?可愛い弟子の為にお願いいたします」
可愛い弟子?僕はそんなつもりもないし、自分より年上のおじさんを捕まえて可愛い弟子なんて言った覚がありません。
「グリモアさん、毎日来てますけどお仕事は大丈夫なんですか?サボってばかりいると、クビになりますよ」
国の研究所で働いているのだから忙しいはずなんだけど大丈夫なの?
「あ、それなら大丈夫です。たまっていた休暇をとっていますから」
…ちゃっかりしていると言うかなんと言うか。最初の印象と違いすぎなんですが?
「そうですか…」
僕は休暇もなくて疲れているんだけどね。
「あら、グリモアさんいらしてたのね」
母さんが笑顔で手を振っている。
何度も家に来るうちに僕の家族と仲良くなっているあたりも最初の印象と違うんだよね~。
「奥様、お邪魔しております。今日もお美しいですね」
いや、この口の浮くような言葉も意外すぎだよ。
「やだわ、グリモアさんったら…」
母さんが嬉しそうに高い紅茶をいれている。あれ、普段は僕にも飲ませてくれないやつだ。嘘だろ母さん!
「あ!そうだわ。フルドにお手紙が来てたのよ。はい、これ」
母さんは僕に手紙を渡すとさっさとグリモアさんとのお茶を楽しんでいた。
何だかモヤッとするのは気のせいなのかな。
僕は母さんから渡された手紙に目をおとした。
「あっ…」
手紙はウルからだった。
ウルはあれから順調に回復してもう学校に登校しても良いとお医者様から言われたらしい。だけど1つ困っていることがあるらしい…。
手紙には"何だか元気になりすぎたのか、力の加減が出来なくて扉や食器などを壊しちゃうんだ。困ってるんだよ。学校に行っても机や椅子を壊さないかと心配してる"
これってどう考えてもアレが原因だよね。
身体強化(強)!
でも、言えないし…。
ごめん!ウル~!!
学校ではフォローするからね!!!
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