ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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64. ウルを助けたい!

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 やっとウルの様子を見に行けると思っていたら、先生から「ウル君が重体らしい」と聞かされた。

 それってブルーブラッドの末期症状が出始めているってこと…。

 僕がもっと早くにウルのもとに行っていれば…と後悔してしまう。

 だけど諦めることはできないよ!大切な親友を無くしたくはないからね。どうすれば良いかはまだわからないけど、とりあえずウルの顔がみたい。

 でも、重体だとしたら面会を断られる可能性もあるよね。正面から行かない方が良いかも…。

 僕は考えた末に、マントを着けてヴァンパイアスタイルでウルの家に行くことにした。

 これなら誰かに見つかってもマントを使って姿を隠すことも出来るからね。ヴァン様にも見つからないようにこっそり家を出てきたんだけど、大丈夫かな?

 ウルの家が見えてきた。でも何だか家中が電気が消えていて暗い感じがする。

 ウルの部屋は確か…角だったはずだけど…。

 その場所には灯りがついている。

 僕は見つからないようにマントで姿を隠しながら、窓から灯りのついた部屋の中を覗いた。

「ウル…」

 部屋の中にあるベッドの回りにウルの両親と妹のルフさんがいるのが見えた。

 ウルの姿をここからでは確認できないけどウルのお母さんがウルの名前を口づさんでいたので間違いないと思う。

 家族が集まって涙していると言うことは…ウルが重体だと言うのは間違いないんだなと実感してしまう。

 早くしないと側に行きたいけど、この状態では多分無理だろうな。

 そうだ!

 とりあえず今のウルの状態を鑑定して見よう。

 鑑定…。ブラックボールに触れながらウルを鑑定してみる。

"狼一族 男性 ブルーブラッドの花の毒に身体が侵されている 危険な状態 治すにはドラキュラ一族の血液が大量に必要"

 え!

 さっきまでの治療には僕の血を一滴だけ身体に取り込むことで治っていたのに、大量に必要なの?

 え?!

 それって僕も危なくない?

 どうしよう…?!

 でも悩んでいる時間ももったいないよね!他の誰でもない親友ウルの為だからね!

 僕は自分の命の危険も理解したけど、ウルの事は大事だし、このまま何もせずに見ているだけなんてできない。

 …決めた。

 ウルを助けたいから、僕の血をウルにあげるよ。目が覚めたらこの事をウルと笑い話にしよう。

 僕はマントで身体を隠したままウルの寝ているベッドの近くまですすんだ…。



 

 


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