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60. 知らない大人
しおりを挟む「え~と、その~、あの~」
僕は先生に問い詰められて言葉が出てきません。
どう言えば一番怒られないですむのかな…。
「どうした。早く理由を言わないか!」
こ、怖い…。
本当の事が言えたら良いけど言えない辛さ。
ウルの事が気になるし、保健室に運ばれた先生達も気になるし、この場から早く抜け出したいんだけど~!
「全く…先生達もなぜ倒れていたかを調べないといけないし、お前ばかり時間をかけられんのだ!」
じゃあ、置いといて結構です!って言ったら怒られらるよね。
「え~と、先生達はブルーブラッドの花の近くで倒れていました。もしかして、ウル君と同じなのかもしれないです…」
これくらいは言っても鑑定能力はバレないよね。
「お前…見ていたのか?」
先生が怖い顔をさらにしかめている。
「はい。僕が森に行った時は先生達はまだ倒れていなくてお話をされていました。だけどその後すぐにお二人ともがバタバタと倒れていったんです…」
あ~!考えながら話すのって難しい!
「やはりブルーブラッドの花が関係あるのか…」
お!これは先生の意識が僕からブルーブラッドの花に向きつつあるのでは?
「実は…僕もウル君が倒れたと聞いて…もしかしたらあの花が関係あるのかな~と思って調べに行ったんです」
先生が凄い怖い顔をして僕を見てきた。
…もしかして何も言わない方が良かった?
「自分1人で調べようなんて百年早いわー!!!」
あちゃ~、どうやら言葉選びを間違っちゃったよ。先生が凄い怒鳴っています。
結局は1時間のお説教コースにこのまま突入しました。
…ううっ。
気分はだだ下がりだよ。
本当は早くウルや先生達の元にいきたかったんだけどな…。
でも、鑑定をしてブルーブラッドの花による意識を無くした人達の対応をわかっているのは僕だけかもしれないんだから、助けないと!
近さでいえば先生達の寝ている保健室が近いから気持ち的にはウルを先にしたいけど…先生達の方に行った方が良いよね。
僕は保健室にと急いだ。
「あれ?」
保健室の回りに人だかりができている。何があったんだろう。
このままじゃ保健室に入ることが難しそうだよ。
集まっていた人達を見ると先生達だけじゃなくて、知らない大人も混じっている。
誰だろう?
「あ!あの生徒が発見者です!」
「え!?」
1人の先生が僕を指差した。それを見た見知らぬ大人が僕に近寄ってきて…。
「一緒にきてもらおうか…」
「え!?」
えええーーー!!!
何!
僕はどうなるの~!?
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