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55. ボールを作る条件?
しおりを挟む『はあ?なぜ汗からブラッディーボールが出てくるんだ?』
僕が言おうとした言葉を先にヴァン様に言われてしまった。
「僕が聞きたいですよ!涙から出てくるって言ってましたよね?」
『…聞いたことがないぞ。お前…実は凄い子孫なのか?身体から出るものなら何からでもブラッディーボールが出てくるのかもしれない…。いや、しかしそんな…』
ヴァン様がまた1人でブツブツと言いだした。
ヴァン様が独り言を言っているうちに急いでブラッディーボールを拾った。
色は赤っぽい黒に見える。
鑑定した方が良いよね。今ならヴァン様が見ていない。
鑑定…。
"レッドボール 身体強化 一時的だが身体を強化することができる"
残念!
身長を高くできるんじゃないんだね。いや…そんなに残念じゃないよ。少し…すこ~しね残念だなって思うだけ。
『色が赤く見えるな…』
いつの間にか独り言を止めて僕の側にヴァン様がきています。
『あのウルの妹とのボールだろ。おそらく肉体系の効果があるんだろうな』
さすがヴァン様!鑑定能力なんか無くても何となくわかるんだね。
「ヴァン様が欲しいボールじゃないですか?」
『私が欲しいのは違うボールだ』
さして興味も無いのかすぐに小屋に帰ってしまった。さっきの怒りもすっかり忘れているみたい。
僕は忘れてもらった方がありがたいけどね。
「じゃあ、ヴァン様また週末ですね。おやすみなさい」
僕は何事も無かったかのように自室に帰った。ヴァン様に引き留められてお説教をされるかと思っていたけど…そんなことはなかったよ。
部屋でもう一度新しいボールを見る。
今、ピアスにしているブラックボールと同じように加工して使いたいときにすぐに付け替えられる様にしていた方が良いよね。明日、加工してもらおう。
それにしても…ブルーブラッドでお小遣いを貯めようかと思っていたけど、予想外の結末になっちゃったな。
まさかの冷や汗からボール。
でもあの時の僕は興奮はしていなかったよね?
じゃあ何で?
僕は興奮した時と追い詰められた時の共通点を考えていた。
前の時は感情も頭の中もぐちゃぐちゃになっていたし、今回は焦ってはいたけど感情がぐちゃぐちゃにはなっていなかったよね。
ん~何だろうな。
他は…心臓がドキドキしていのは覚えてるな。
…心臓!?
心拍数かな!?
最初の時も今回も確かに心臓がドキドキしてた。それがボールを作る条件なんじゃない?
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