ブラッディーガールを探せ!

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53. ブルーブラッドの効能

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 学校の授業で僕達は大変なものを見つけてしまったみたい…。

「これは国に報告しないといけないくらいの発見だよ!」

 先生は僕とウルとブルーブラッドと呼ばれる花を見ながら、怖いくらいに興奮している。

 確かに効能を聞くと納得はできたけどね。

 だって効能は"恐怖心が無くなる"なんだって!

 昔からあった花らしいんだけど、昔の人達は「この花で薬を作ると心が落ち着く」と言って精神的な安定剤としていたんだって。

 だけど人によっては様子がおかしくなった人がいたりしたので国が効能を研究した結果「精神が落ち着くのではなく、麻薬的に精神を落ち着かせる強制力がある薬」ということがわかったんだってさ。

 今では軍の人達が使うこともあるらしく、恐怖心が無くなる薬と呼ばれる様になったと興奮した先生が話して教えてくれました。

 なぜここまで先生が興奮しているのか…。

 それは珍しいというのもあるけど、ものすごく高価なんだって。

 昔は沢山あった花も採取されすぎて滅多に発見されない花になって、それに伴いお値段も高くなっていった…ということらしい。

 なんとこの花一輪で先生のお給料の1年分くらいあるらしい。

 先生のお給料がいくらかは知らないからハッキリした金額まではわからないけど、とにかく凄い高いということは理解できたよ。

 ただ納得できないことが1つあるんだよ。

「残念だよね~。個人的に見つけていたら凄い良いお小遣いになっていたのに、学校の授業で見つけたから学校側の収益になるんだよ~。あ~、残念だよね~」

 言っている先生から残念な感じが全く感じられないのは気のせいではないと思う。

 もしかしたらこの花のお金は先生達の臨時ボーナスみたいになるのだろうか?

 納得できないよね~!

 せめて、学食無料とかにしてもらえないかな。

 …って言うか、実はまだ近くにブルーブラッドが咲いているのが見えているんだよね~。黙っていて正解!

 今日の夜にでも採取しに来よう。

 僕の目で見えているだけでも何本かあるのが確認できているからね。

 先生は望遠鏡を使っていても暗いからハッキリとは見えていないみたいだし…。

 …と悪いことを考えていたら、ウルが先生の所に行って話をしていた。

「先生!俺達にはせめて発見したご褒美として学食を無料にするとかはできないんですか?」

 ウルも僕と同じことを考えていたんだね。

「…そうだな。理事長に聞いてみる。…が期待はするなよ」

 期待はするな…は、たぶんダメだよね。

「えー!!じゃあ、自分達で勝手に花を見つけようぜ」

 そこも僕と同じ考えだ。

 先生に止められたのは言うまでもない。

 


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