53 / 169
53. ブルーブラッドの効能
しおりを挟む学校の授業で僕達は大変なものを見つけてしまったみたい…。
「これは国に報告しないといけないくらいの発見だよ!」
先生は僕とウルとブルーブラッドと呼ばれる花を見ながら、怖いくらいに興奮している。
確かに効能を聞くと納得はできたけどね。
だって効能は"恐怖心が無くなる"なんだって!
昔からあった花らしいんだけど、昔の人達は「この花で薬を作ると心が落ち着く」と言って精神的な安定剤としていたんだって。
だけど人によっては様子がおかしくなった人がいたりしたので国が効能を研究した結果「精神が落ち着くのではなく、麻薬的に精神を落ち着かせる強制力がある薬」ということがわかったんだってさ。
今では軍の人達が使うこともあるらしく、恐怖心が無くなる薬と呼ばれる様になったと興奮した先生が話して教えてくれました。
なぜここまで先生が興奮しているのか…。
それは珍しいというのもあるけど、ものすごく高価なんだって。
昔は沢山あった花も採取されすぎて滅多に発見されない花になって、それに伴いお値段も高くなっていった…ということらしい。
なんとこの花一輪で先生のお給料の1年分くらいあるらしい。
先生のお給料がいくらかは知らないからハッキリした金額まではわからないけど、とにかく凄い高いということは理解できたよ。
ただ納得できないことが1つあるんだよ。
「残念だよね~。個人的に見つけていたら凄い良いお小遣いになっていたのに、学校の授業で見つけたから学校側の収益になるんだよ~。あ~、残念だよね~」
言っている先生から残念な感じが全く感じられないのは気のせいではないと思う。
もしかしたらこの花のお金は先生達の臨時ボーナスみたいになるのだろうか?
納得できないよね~!
せめて、学食無料とかにしてもらえないかな。
…って言うか、実はまだ近くにブルーブラッドが咲いているのが見えているんだよね~。黙っていて正解!
今日の夜にでも採取しに来よう。
僕の目で見えているだけでも何本かあるのが確認できているからね。
先生は望遠鏡を使っていても暗いからハッキリとは見えていないみたいだし…。
…と悪いことを考えていたら、ウルが先生の所に行って話をしていた。
「先生!俺達にはせめて発見したご褒美として学食を無料にするとかはできないんですか?」
ウルも僕と同じことを考えていたんだね。
「…そうだな。理事長に聞いてみる。…が期待はするなよ」
期待はするな…は、たぶんダメだよね。
「えー!!じゃあ、自分達で勝手に花を見つけようぜ」
そこも僕と同じ考えだ。
先生に止められたのは言うまでもない。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる