ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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50. 再び登場

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 またまた問題発生です。

 次の満月まで日があるし、次のブラッディーガール探しをしよう!とヴァン様が言うので、いつものように週末にヴァン様と夜の空を飛んでいたのですが…。

「ジジイ…まだくたばってないのか?!」

 どこかで聞いたような声。

『お前か…』

 ヴァン様は声の主の姿を確認すると大きなため息をついた。

 もう誰だかわかりますよね、そう…キュラドさんです。

 アリナさんの時に姿を見せて以来の再会です。

 でも何だか前と違うような感じがするんだよね…。何だろう?

「ジジイ、また俺の邪魔をするなよ!」

『お前こそ、掟は守れ!身体に異変がおきてるんじゃないのか?前より痩せているようにも見えるぞ』

 あ、それか!痩せて顔も少し違うから前と違う感じがしたのか。でも、それって調子が悪いからなの?

「うるさい!俺達の一族の事に口を挟むな。痩せたのはわざとだ。引き締めたと言え。中年太りは女性の評判が良くないからな」

 そう言いつつ、ヴァン様を指でつついた。

『…強がりよって。一族と言っても、もうお前しか残っていないだろう』

「うるさい!」

 キュラドさんの声が一際大きくなった。

「俺の一族の話はするなよ!」

 そっか、一族の事に触れられたくないんだね。

 でも、1人って寂しくないのかな…。

 だってヴァン様よりは年が下だって聞いているけど、長い年月を生きているのは間違いないよね。いつから家族がいないんだろう…。

 あっ!そうだ。

 僕のブラックボールでキュラドさんを鑑定できないかな。

 勝手に見るのは悪いと思うけど、身体の調子も悪そうだし…気になるよね。

 僕はこっそりとブラックボールに触れて、キュラドさんを見た。

 見えたのは…。

 ん…なぜ紙芝居なのかな?

 疑問だけど…キュラドさんの物語が紙芝居形式で映像になって見えているんです。

 ウルの時のように動画で見えるのかと思ってたんだけど、人によって違うってこと?

 しかも紙芝居の内容が衝撃なんですけど…。

 キュラドさんの御両親はキュラドさんが幼い頃に亡くなってしまい、結婚した奥さんも子供を出産する時に亡くなってしまっている…。子供さんもその時に…。

 それから長い時を1人で過ごしてきたんだ…。まるで死に急ぐみたいにも見える。

 もしかして…本当にそうなのかもしれない。

 でもそれって悲しすぎるよね…。

 今のキュラドさんはヴァン様とケンカしながらも生き生きとしているようにも見える。

 本当はヴァン様と会えるのを楽しんでいるんじゃないか?

 …ブラッディーガールを探しているのと同時に同族の僕達も見つけようとしていたのかも。

 これってヴァン様に話すべき?
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