50 / 169
50. 再び登場
しおりを挟むまたまた問題発生です。
次の満月まで日があるし、次のブラッディーガール探しをしよう!とヴァン様が言うので、いつものように週末にヴァン様と夜の空を飛んでいたのですが…。
「ジジイ…まだくたばってないのか?!」
どこかで聞いたような声。
『お前か…』
ヴァン様は声の主の姿を確認すると大きなため息をついた。
もう誰だかわかりますよね、そう…キュラドさんです。
アリナさんの時に姿を見せて以来の再会です。
でも何だか前と違うような感じがするんだよね…。何だろう?
「ジジイ、また俺の邪魔をするなよ!」
『お前こそ、掟は守れ!身体に異変がおきてるんじゃないのか?前より痩せているようにも見えるぞ』
あ、それか!痩せて顔も少し違うから前と違う感じがしたのか。でも、それって調子が悪いからなの?
「うるさい!俺達の一族の事に口を挟むな。痩せたのはわざとだ。引き締めたと言え。中年太りは女性の評判が良くないからな」
そう言いつつ、ヴァン様を指でつついた。
『…強がりよって。一族と言っても、もうお前しか残っていないだろう』
「うるさい!」
キュラドさんの声が一際大きくなった。
「俺の一族の話はするなよ!」
そっか、一族の事に触れられたくないんだね。
でも、1人って寂しくないのかな…。
だってヴァン様よりは年が下だって聞いているけど、長い年月を生きているのは間違いないよね。いつから家族がいないんだろう…。
あっ!そうだ。
僕のブラックボールでキュラドさんを鑑定できないかな。
勝手に見るのは悪いと思うけど、身体の調子も悪そうだし…気になるよね。
僕はこっそりとブラックボールに触れて、キュラドさんを見た。
見えたのは…。
ん…なぜ紙芝居なのかな?
疑問だけど…キュラドさんの物語が紙芝居形式で映像になって見えているんです。
ウルの時のように動画で見えるのかと思ってたんだけど、人によって違うってこと?
しかも紙芝居の内容が衝撃なんですけど…。
キュラドさんの御両親はキュラドさんが幼い頃に亡くなってしまい、結婚した奥さんも子供を出産する時に亡くなってしまっている…。子供さんもその時に…。
それから長い時を1人で過ごしてきたんだ…。まるで死に急ぐみたいにも見える。
もしかして…本当にそうなのかもしれない。
でもそれって悲しすぎるよね…。
今のキュラドさんはヴァン様とケンカしながらも生き生きとしているようにも見える。
本当はヴァン様と会えるのを楽しんでいるんじゃないか?
…ブラッディーガールを探しているのと同時に同族の僕達も見つけようとしていたのかも。
これってヴァン様に話すべき?
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる