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42. 幸せのコウモリって知ってる?
しおりを挟むまさかの幸せのコウモリ発言…。
ヴァン様…僕の友人の祖先とも繋がってるの?
ヴァン様の範囲って広すぎる…。
「凄い驚いているみたいだけど、フルドは幸せのコウモリを知っているのか?」
知りすぎてるとは言えないし、何て言ったら良いのかな。
「あ…うん。聞いたことがあるけど…その幸せのコウモリがどうしたの?」
「知っているなら話しやすいな。妹がその幸せのコウモリを探していたんだけど見つからなくて…部屋に籠ってしまっているんだ」
「え…何で妹さんはコウモリを探しているの?」
「…さっきウルフ族だって話をしただろう。ウルフ族は成人すると満月の夜は狼の様な姿になるんだけど、妹はそれが嫌みたいでさ…」
でもそれってヴァン様に頼んだら狼の姿にならないって事?いや、まさかそれはないでしょ。
いくら乙女の願いを叶えると言っても種族の特性まで変更することなんて…できないよね。
「妹が部屋から出てこなくなってからは俺がコウモリを探していたんだけど…見つからなくてさ。睡眠不足なのと疲労がたまって学校のランチも楽しめないんだ」
ウル…学校の勉強に集中できないじゃなくて、ランチも楽しめないが先にくるんだね。ウルらしい。
「それでこんな事を頼むのはお前しかできないんだけど、俺と一緒に幸せのコウモリを探してくれないか?頼む!」
ウルは僕に頭を下げたまま固まっている。僕が「良いよ」って言うのを待っているんだろうな。
でも…どうしよう。
今すぐにでも幸せのコウモリを連れてこれるよ!って言うのは簡単なんだけど、そうすると僕の秘密もウルにバレる訳だよね。そりゃ、ウルも秘密を話してくれたから僕も話すべきなんだとは思うけど…秘密にしないといけないって言われているからな。
何か良い考えはないかな…。
「…ダメか?」
下げていた頭を少し上げて僕の顔をご主人様の顔色をうかがう犬の様な表情で見てくるウル。気のせいか頭に耳が見えるよ。
「いや、実はコウモリに心当たりがあるんだけど…ただ、警戒心が強いから知らない人間が近づくと逃げてしまう可能性もあるかも…。だから、僕が行って聞いてみるよ」
ウルが頭を上げて表情を変えた。今度はブンブンと喜んでいるしっぽが見える気がするよ。
「頼んでも良いのか!?フルド…実はお前って凄い奴だったんだな!コウモリにも知り合いがいるなんて…もっと早くに相談するんだったよ!」
僕の手を力強く握り上下にふって喜んでくれているのは僕も嬉しいけど、手…痛いよ。
それに、ウルって僕の事をどんな人だと思っていたのか気になる発言があったよ?!
まあ、今は問い詰めないけど…。
「えっと…近いうちに話をしてみるから、聞いたらウルにすぐに教えるね」
「おう!本当にありがとな!!」
…ウルがいつも通りに元気になったのは良いんだけど問題はこれからだよね。
はぁ~、どうしよう。
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