40 / 169
40. ブラックボールって優秀?
しおりを挟む「おはよーウル」
学校に行くと珍しくウルが僕より早く教室に来ていた。いつもは僕より遅いか、早くても同じくらいなのに何か用事でもあったのかな?
「あ~、おはよ」
机に寝そべる様な姿勢で片手を上げたかと思ったらすぐに机に伏してしまった。
「どうしたの?疲れてる?」
「…ちょっとな」
いつもは豪快な感じで何でもハッキリと物を言うのに今日は濁している。
やっぱりおかしいよね。
気になるけどウルが話したくないなら深く聞かない方が良いかな。僕は聞きたいのを我慢して席に着いた。
授業中も気になったのでチラチラとウルの様子を伺っていたが、やはり元気がないんだよね。
どうしたんだろう…。
その時、僕の胸元が仄かに光った様な気がした。
え?
もしかして…。
光る物に心当たりがあった。
僕は回りを気にしながら、それをそっと服の中から取り出した。
どうしてこれが光るの?
光っていたのは迷った結果ペンダントにしたブラックボールだった。
手にしたブラックボールを見ていると、やっぱり小さく点滅するように光っていた。
もしかして…ウルを見ろってこと?
でも、勝手に鑑定するのは良くないよね。それとも見た方が良い何かがあるのかな。
ブラックボールの説明書とかがあればわかりやすいのにな。
迷ったけど、ブラックボールを信じて鑑定してみることにした。
ウル、勝手にごめんね。
鑑定…。
ん?
思っていた鑑定と少し違うぞ。
僕が想像していた鑑定はヴァン様のブラッディーボールがヴァンボールだったのがわかった時みたいに文字で情報が出てくるやつだったんだけど…今見えているのは映像だった。
何これ!?
しかもその映像は静止画ではなく動画なんだよ。
凄すぎない?
ブラックボールってこんな事もできるのか…。
え…?
映像がウルのアップになったんだけど、あれ?
僕の知っているウルが…ウルじゃない!?
大きな雄叫びをあげた後でウルの姿が大きく変わってしまったんだ。
何があったんだ!?
すると映像は大きな満月を映し出した。
そう言えば…昨日は綺麗な満月だったことを思い出した。
じゃあこの映像は昨日のもの?
ウルが元気が無いのはこれが原因なのかな。
でも、これって…。
物語とかに出てくる満月を見ると変身する狼男だよね?
えっ!?
ウルって狼男の子孫だったの~!?
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる