ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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36. 謝る?

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 家に帰ってきてボールを改めて鑑定してみても、やっぱりヴァンボールって書いてある。

 でもヴァン様からはブラッディーボール以外の言葉を聞いた事はなかったよね。

 少し考えを整理してみよう。

 ここからは僕の予想になるんだけど…。

 もしかしてブラッディーボールを持って産まれた一族でも個人個人に能力が違うのかもしれない。

 ヴァン様はボールに自分の名前がついているのを見ると、ヴァン様と契約してできたボールは全てヴァンボールなんじゃないかな。

 効果は契約者の望みをヴァン様が聞いて叶えていた…と考えた方が良いのかも…。

 だけど、僕のボールは自分の名前がついていない。僕の血を落とすまで反応が無かったということは…。

 あれ?

 もしかして、僕の作り出すボールってかなり危険!?

 だって血をボールに落とすだけで契約者になれて、おまけにそのボールの持っている能力を授かれるんだよ。

 ボールの効果によっては奪いあいになるかも…。っていうか、この事は他人に知られると僕の身が危険になるのかもしれない。

 え…何…僕って実は残念な末っ子じゃなくて、優秀な末っ子だったの~!?

 でも残念ながら人には言えない!

 なんだよ~この能力!!!

 こうなったら、ブラッディーガールの人達にたくさん会ってボールをいっぱい作成して、僕の能力をどんどんあげるしかない。

 でも、探すとなるとヴァン様の協力がやっぱり必要だよね。

 言いすぎてごめんなさい…て言えるかな。

 僕は小屋に向かった。

 案の定、ヴァン様は小屋の中の枝にぶら下がっている。

 それに人影もある?

「ご先祖様、これは甘くて美味しいと評判のフルーツです。沢山ご用意しましたのでお食べくださいね」

「こちらはやっと手に入れることができた珍しいお酒です。こちらも飲んでみてください」

 両親が夜中にヴァン様の所に来て果物やお酒をすすめていた。

 いや、コウモリに果物はまだ良いとしてもお酒って…父さん何してるの?

「キーキーキー」

 ヴァン様も興奮してるのかな?何々?

『喜んでいただくぞ。酒は好物だ』

 ヴァン様も喜んでる!?

 いや、その姿で飲むとどうなるの?

 コウモリの酔っぱらい…いや、少しだけ見てみたいけど。だけどヴァン様って酒癖が悪そうな予感がするんだよね。

「ちょっと、父さん母さん何してるの?」

 両親は振り返って僕を一瞬だけ見た後、すぐにヴァン様の方に向き直してしまった。

「フルドはもう寝なさい。遅くまで起きていると身長が伸びないわよ~」

 か、母さん、痛いところをつかないで!

 気にしているんだからね!

「そうだぞ~。今は大人の時間だからな、早く寝なさい」

 父さん、大人の時間って何?

 お酒を飲む時間ってこと?

 もう!2人がいるとヴァン様と話ができないじゃないか。

 どうしたら良いんだよ~!?


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