ブラッディーガールを探せ!

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18. 私の一族 (アリナ視点)

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 私の一族には女性にだけ伝えられる言い伝えがある。それは物語の様な話しで、真実かどうかはわからない。だけど100年以上伝えられている。

 コウモリを連れた美しい人が現れたら必ず契約を結びなさい。そうすれば女性の夢が叶う…。


 美しい人って女性なの?とおばあ様に聞いてもおばあ様もわからないと答えた。


「私も子供の頃におばあ様から聞いた話だから、はっきりと覚えていないのよ…。私はそんな人に会うことはなかったし…。残念よね…」

 おばあ様が頬に手をあてて首を横に傾ける。

「残念?なぜ、残念なのですか?」

 私はおばあ様がなぜそんなに残念だと思うのか知りたかった。そんなに会いたい人?

「ん~、そうね~。この話をしてくださったおばあ様は子供の頃の私の目からはとても若く見えたのよ。確か…あの時おばあ様は45歳くらいだったと思うのだけど20歳代くらいにしか見えなかった…。私もおばあ様の血を受け継いでいるのだから同じ様になるのだろうと思っていたのだけど、実際は違っていたのよ。だからこれはきっとコウモリを連れた美しい人が関係しているのだわと思ったの。私は会えなかったから若さを保てなかったのだと思っているから残念だと思ったのよ」


 私はその時、思いだしました。

 我が家にあるおばあ様のおばあ様の自画像はとても若い頃が描いてあると思っていたが、ある日裏に書かれている年月日を見て驚いたのです。

 20歳代くらいだと思っていたが、年月日から計算すると、どう考えても50歳は超えているのです。

 流石におかしいと家族と話し合ってみた結果、年月日を書き間違えたのだろうということで終わったのだけど…あれは間違ってなかったのねとその時は幼いながらに衝撃が強くて覚えていました。

 今はその話をしてくださったおばあ様も天国に召されて話ができないけど、生きていらっしゃったなら私の話を是非聞いて頂きたかったわ…。

「まさか私が言い伝えのコウモリを連れた美しい人にお会いできるなんて…」

 朝起きた時は夢かとも思いましたが、窓が少し開いていたのを見て夢ではないと確信しました。

 美しい人…少年だったけど、月光に照らされて神秘的な美しさが漂っていた。

 あの美少年はいったい何者なのかしら?

 気になりますが…おそらくまたすぐに会える様な気がしますので、その時に聞いてみようかしら。

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