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17. 二度手間
しおりを挟むヴァン様にコッテリと怒られた後、免疫と細胞について教えてもらいました。
簡単に言えば、僕達の身体を作っているものだということは理解したよ。
人に説明してみろ…と言われれば無理だけどね。
『そもそもブラッディーボールは他人の血を接種しないと新しく作る事は出来ないと言っただろう!』
え!そんな事を言ってましたか?
「ブラッディーボールって、どうやって新しく作る事ができるんですか?」
ブラッディーボールを増やす必要は無いかもしれないけど、一応は知っていた方が良い気がする。…というか興味があるだけなんだけどね。
『ブラッディーボールは他人の血が自分の体内に混ざる事で作られるのだ。我が一族の血と違う一族の血が混ざるとできる。だから最初のブラッディーボールは産まれてくる時に持っている。なぜ全員ではないのかは解明されていないが…』
確かに不思議かも…。一族の血と他族の血が混じっているのは親戚でも僕だけではないからね。
それなのに僕だけがブラッディーボールを持って産まれてきた。
これって何か意味があるのかな…。
『だから、ブラッディーボールを作り出す為には我が一族と相性の良く、違う能力を持つ一族の女性を探さないといけないのだ。見つけたら血をもらい契約をする。契約後しばらくするとブラッディーボールが涙として体内から出てくるのだ』
「え!涙として?!痛そう…」
無理!無理だよ!!凄く痛そう!!!
『酷い顔だな…。はあ~、本当に我が子孫なのか?痛みはないから安心しろ。それにあの娘は私が昔に選んだブラッディーガールの子孫なのだからお前とも相性が良いとわかっているし、拒否反応も出ないだろう…たぶん』
今…たぶんって最後に言いませんでしたか?
聞き間違いかな?
「拒否反応が出る時もあるってことですか?」
ヴァン様が僕から目をそらして、空を向いて頷いています。怪しい…。
「もしかして…拒否反応って凄い状態になるとか?」
ヴァン様の様子が更に怪しくなってきました。
『…あ~!お前が色々と知りたがるから朝日が昇り始めたではないか!!今日は無理だな。帰るぞ』
本当だ…空が闇の黒から朝日の光がまざった何ともいえない色に変化してきています。
…ん?
あれ?
ヴァン様…全てを僕のせいにしてませんか?
いや!元々はヴァン様が僕にきちんと説明をしていないのが悪いんですよ!!
それに、ここまで来たのに帰るなんて!
明日もここに来ることになるんだね…。
二度手間ってこういう事をいうんだと身をもって知りました。
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