ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

文字の大きさ
上 下
11 / 169

11. 反応あり!

しおりを挟む

 今日も日が落ちるとヴァン様が僕の部屋を訪れる。不思議なんだけどヴァン様の円らな瞳の色が変わると窓が勝手に開くんだよ。

 不思議だよね~。

 ヴァン様に聞いたら、能力の1つらしい。ヴァン様いわく「能力は数えきれないほどあるが全てをお前に教えるわけにもいかない!」だってさ。

 …ケチだよね。教えてくれても良いと思うんだけど。

 あっ、1つだけ教えてもらえたこともあったんだ。

 それは、あのヴァン様に貰った格好いいマントを使って姿を消す方法なんだ。前に僕にも出来るようになるかもって言われていたんだけど、そのやり方を教えてもらえたんだよ。

 マントで身体全体を覆って呪文を唱えるだけなんだけど…僕がやると頭が消えないんだよね。…なんでだろう?

 頭隠して尻隠さずじゃなくて、頭消さずに尻隠すの状態なんだ。何回やっても結果は同じ。

 ヴァン様には笑われて、呆れられたよ。

 最後には「お前には才能が無いのかも…」だってさ。落ち込むよ…。

 今日も練習するのかな…?

 笑われない様にしないとね!

 取り敢えずはこうやって空を飛ぶ事は出来るようになったんだし、頑張ればそのうちに出来るようになるはず。

 なんて考えていたら突然ヴァン様が大声を出した。

「おい!光ってるぞ!!」

 ヴァン様が空を飛んでいる僕の頭に乗ってきてバシバシと翼で叩いている。

 ボーと考え事をしていた僕も悪いけどヴァン様ってよく叩くよね?叩きすぎじゃない?

「しっかりしろ!ブラッディーボールが光っているんだぞ!」

「へ?!」

 僕は首から下げていたペンダントの先を見た。

「本当だ…綺麗…」

 僕のブラッディーボールが淡い赤色の光を放って輝いている。

「やっと見つけたが…私のブラッディーボールでは無さそうだな…」

 心なしか落ち込んだ様な声のトーンになっている。ヴァン様のブラッディーボールじゃないってナゼわかるのかも不思議だよね。

「どうしてヴァン様のではないとわかるのですか?」

 頭の上にいるヴァン様に聞いてみる。

「色だ…。私のならば色が赤色ではなく虹色…レインボーカラーに輝くのだ」

「へぇ~。それは綺麗ですね」

 レインボーカラーなんて素敵だよね。人によってブラッディーボールの輝きは違うって事なのかな。

「じゃあ、今回はブラッディーボールを回収しなくて良いのですか?」

「いや、回収はする!力を取り戻す…姿を人間に戻す為にも必要だからな」

 そうなんだ。まだまだ僕の知らない事が出てきそうだ。

「取り敢えずは光っている方向に探しに行くぞ」

 ヴァン様…速!!!

 僕の頭の上からおりて、ものすごいスピードで急降下してます。見てる僕のほうがこわいかも。

 でも…それだけブラッディーボールを早く確かめたいんだよね。

 ブラッディーボール…僕に回収できるかな…。


 

しおりを挟む
感想 149

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...