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11. 反応あり!
しおりを挟む今日も日が落ちるとヴァン様が僕の部屋を訪れる。不思議なんだけどヴァン様の円らな瞳の色が変わると窓が勝手に開くんだよ。
不思議だよね~。
ヴァン様に聞いたら、能力の1つらしい。ヴァン様いわく「能力は数えきれないほどあるが全てをお前に教えるわけにもいかない!」だってさ。
…ケチだよね。教えてくれても良いと思うんだけど。
あっ、1つだけ教えてもらえたこともあったんだ。
それは、あのヴァン様に貰った格好いいマントを使って姿を消す方法なんだ。前に僕にも出来るようになるかもって言われていたんだけど、そのやり方を教えてもらえたんだよ。
マントで身体全体を覆って呪文を唱えるだけなんだけど…僕がやると頭が消えないんだよね。…なんでだろう?
頭隠して尻隠さずじゃなくて、頭消さずに尻隠すの状態なんだ。何回やっても結果は同じ。
ヴァン様には笑われて、呆れられたよ。
最後には「お前には才能が無いのかも…」だってさ。落ち込むよ…。
今日も練習するのかな…?
笑われない様にしないとね!
取り敢えずはこうやって空を飛ぶ事は出来るようになったんだし、頑張ればそのうちに出来るようになるはず。
なんて考えていたら突然ヴァン様が大声を出した。
「おい!光ってるぞ!!」
ヴァン様が空を飛んでいる僕の頭に乗ってきてバシバシと翼で叩いている。
ボーと考え事をしていた僕も悪いけどヴァン様ってよく叩くよね?叩きすぎじゃない?
「しっかりしろ!ブラッディーボールが光っているんだぞ!」
「へ?!」
僕は首から下げていたペンダントの先を見た。
「本当だ…綺麗…」
僕のブラッディーボールが淡い赤色の光を放って輝いている。
「やっと見つけたが…私のブラッディーボールでは無さそうだな…」
心なしか落ち込んだ様な声のトーンになっている。ヴァン様のブラッディーボールじゃないってナゼわかるのかも不思議だよね。
「どうしてヴァン様のではないとわかるのですか?」
頭の上にいるヴァン様に聞いてみる。
「色だ…。私のならば色が赤色ではなく虹色…レインボーカラーに輝くのだ」
「へぇ~。それは綺麗ですね」
レインボーカラーなんて素敵だよね。人によってブラッディーボールの輝きは違うって事なのかな。
「じゃあ、今回はブラッディーボールを回収しなくて良いのですか?」
「いや、回収はする!力を取り戻す…姿を人間に戻す為にも必要だからな」
そうなんだ。まだまだ僕の知らない事が出てきそうだ。
「取り敢えずは光っている方向に探しに行くぞ」
ヴァン様…速!!!
僕の頭の上からおりて、ものすごいスピードで急降下してます。見てる僕のほうがこわいかも。
でも…それだけブラッディーボールを早く確かめたいんだよね。
ブラッディーボール…僕に回収できるかな…。
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