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5. コウモリの正体は…
しおりを挟む僕の部屋に突然、姿を見せたコウモリは一族の者しか知らないはずのブラッディーボールの事を知っていた。そもそもコウモリって人間の話が理解できるのかな?
『お前…今少し失礼な事を考えていただろう!私はこれは仮の姿で本来は美しい人間なんだぞ!!』
コウモリが人間?そんなはず無いよ。危ない人なの?しかも自分で美しい人間って言ってた…コウモリにも痛いナルシストとかいるんだね。
『あ~!もう、本来は美しい女性のものしか口にしたくはないが先祖返りのお前ならパワーがあるかもしれん。じっとしておれよ!』
変なコウモリは自分の体を掴んでいた僕の手に噛みついた。
「痛!…くない。あれ?噛んでるよね?」
僕の手にはコウモリの歯の感覚がしっかりとあるのに何故か痛みがない。不思議な感覚だ。
って言うか…コウモリって人の血を吸うの?!
『お前…かなりのものだな。私を床に下ろせ。姿を少し元に戻す』
コウモリの言っていることを全面的に信じているわけてはないけど、今はコウモリの言っている通りにすることにした。コウモリを床に静かに置いた。
すると夜の闇が一瞬昼間の様に明るくなり、僕は眩しくて目を細めてしまった。すぐに夜の闇が戻ってきたので目を開けるとそこにはコウモリの姿がなく、人間が立っていた。
白銀色の月に照らされてキラキラと光っている美しい髪、真っ白な肌に真っ赤な唇…瞳も真っ赤な血の色のようだ。それに…さっきまでいたコウモリと同じで額に薔薇の様なアザがあった。
年齢不詳な人だ。
「どうだ、これで信じるか」
見下すように僕を見下ろして美しい男は笑っていた。
「え…コウモリが人間?そんなのあり?」
いや、普通はないよね。なんなのこの人?
「何だ?お前は一族の話を知らぬのか。まったく…」
一族の話は知っているけど、コウモリがご先祖様だとは聞いたことがないです。
いや、普通はないよ!
僕が呆然とその人を見ていると、1つ大きなため息をついてから一族の説明を始めた。
「ブラッディーボールの話は知っているのか?」
「それは…能力のある子供が産まれる時に手に持って産まれてくる…とだけは知ってます」
何故か敬語になってしまう。一応、ご先祖様らしいし…一応ね。
「それだけか!?はぁ~、我が子孫は面倒な事は嫌いな者が多かったからな…少し待て」
男は指を何かを唱えながら指を一回だけパチンと鳴らした。すると何も無かった空間に紙の束があらわれた。
「ここに書いてあるから読むがよい」
僕の目の前にさっき出してきた紙の束を持たせた。細かい文字がびっしりと書かれている。
「え…読まないとダメですか?」
めんどくさいのですが…。
「読め!」
「…はい」
僕は何故か正座で紙の束を読むことになってしまった。
僕…もう寝たいんですけど~!!!
僕の15歳の誕生日は最悪な1日なのか~!?
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