運命なんて信じません

縁 遊

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37. そうだ!旅行に行こう!!

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「はい、予約をキャンセルですか?分かりました。また、よろしくお願いします。」

 今日は会社が始まってからずっと予約のキャンセル電話がなりやまない。ネットのキャンセルも入れるとかなりの数だ。

 原因は…週刊紙の記事。

 何と!あの円城寺さんが占一さんに二股をかけられていたと記者に訴えたらしいのです。

 占一さんは占い界の貴公子としてメディアにも取り上げられている有名人ですからね。

 テレビや雑誌にもその事が取り上げられています。

 あの人…やることがエグいわ。

 あんなに占一さんの事が大好きなんです!アピールをしていたのに…自分の方を向いてくれないと理解した途端にこれ…。

 恋する女の人って怖い…。

 私も同じ女性ですが、こんな復讐するみたいなエネルギーはないですよ。

 あるなら元カレにやってますね。

 占一さん落ち込んでいるじゃないかなと思っていたのですが…。

「当分の間は暇になりそうだね。どうせなら会社を休業にして一緒に旅行でも行こうか?」

 なんて言ってます。落ち込んでなさそうですよね。

「あの…このままで大丈夫なんですか?」

「ああ、大丈夫だよ。心配しなくてもそのうちすぐに元通りになるから。よくあるんだよね、こういう事って…。」

 こんなことがよくある?それはそれで問題なのでは?でも、本当に本人は慣れている感じですね。

「ね、だから一緒に旅行でも行こうよ。帰って来る頃には落ち着いていると思うよ。」

 旅行ですか…。

 あれ?もしかして、旅行ってお泊まり?

「日帰りですか?」

 確認しとかないとね。これ大事!

「いや、1.2週間くらい会社を休みにして、そうだな~沖縄とかにでも行く?」

 …お泊まり旅行。

 それって関係を深めるチャンスなのでは!?

 だけど…お金が無いわ。

「残念ですけど、お金が余裕無いので無理ですね。」

 くう~、本当は行きたいです!

「え?それなら会社の社員旅行ってことで、僕が費用は全部出すよ。」

「え!良いんですか?」

「うん。本当は僕がプライベートで出したいところだけど、それだと葵ちゃんは気を使うでしょ?」

「はい!」

「元気の良い返事だね。」

 占一さんはに笑われましたが、彼氏の奢りにしては金額が気になりすぎます。私は奢るのには慣れていますが、奢られるのには慣れていません。

 会社の社員旅行という名目なら…まあ、結局は出所は同じなのですが…気持ちの問題ですね。

「じゃあ、決まりだね。そうだな…せっかくだし離島にする?宮古島とかも良いな~。」

 占一さんが仕事そっちのけで嬉しそうにパソコンで旅行先を検索し始めました。

 私も嬉しいですけど…。

 でも…本当に円城寺さんをこのまま放っておいても大丈夫なのかな…。

 旅行に行っている間に解決できるのかな?

 
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