男装少女は復讐を誓う

縁 遊

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47. 悪巧み 〈皇女視点〉

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「姫様やけに彼女に優しくしていましたね。なぜですか?」

曨範が不思議そうに聞いてきた。

「だからお前は出世できないのよ。普通に虐めるのは誰でもできるのよ。あの子から情報を聞き出してから態度を変えれば良いの。その方が心のダメージも大きいのよ」

「姫様…策士ですね。勉強させてもらいます」

「はいはい。曨範はもう少し勉強しなさいよ」

あの女も曨範の様に単純なら良いのだけど…。

今日の対応できっと私の事を良い人だと思っていると思うのだけど、今度会ったら分かるわね。

まずは手懐けて曹操との事を聞き出さないとね。

まあ、仲良くしていればあんな女でも使い道があるかもしれないわ。

バカとハサミは使いようとか言うでしょ。なんでも使い方なのよ。

それに気になるのよね…。

あの女の髪と瞳の色が。

黒でも漆黒ではなく少し青みがかった様な黒だった。

あれは貴族に多い色…と言うか平民には滅多にいないはずだけど私の記憶違いかしら。帰って調べてみないといけないわ。

それに言葉も訛りがない。

これだけおかしいと思われる材料が揃う時は何かある。今までの経験からこれは当たっているはずよ。

「姫~、何を考えているんですか~。相手をしていただけないと淋しいですよ」

曨範が私に絡み付いてきた。

「もう!人が考え事をしているのを邪魔をするんじゃないわよ!」

絡み付いてきた曨範を身体から引き離す。

「姫~!」

「悲しそうに言っても今日は相手しないわよ」

私は考えをまとめる為にここに来たのよ。

ゆっくり考えさせなさい。

問題はどうやってあの女と仲良くなるかなのよね。

曹操の御姉様の紹介とか言ってから蘭宝様に近づく?

いや、それだと曹操に気がつかれて邪魔をされるかもしれない。できれば曹操には気付かれたくないわ。

でも会えるのはここか蘭宝様の所かしかないのよね…。

そうだわ!

そうよ、なぜこんな簡単な事を思いつかなかったのかしら。

フフフッ…楽しみなってきたわ。

待っていてね、私の玩具さん。









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