47 / 86
47. 悪巧み 〈皇女視点〉
しおりを挟む「姫様やけに彼女に優しくしていましたね。なぜですか?」
曨範が不思議そうに聞いてきた。
「だからお前は出世できないのよ。普通に虐めるのは誰でもできるのよ。あの子から情報を聞き出してから態度を変えれば良いの。その方が心のダメージも大きいのよ」
「姫様…策士ですね。勉強させてもらいます」
「はいはい。曨範はもう少し勉強しなさいよ」
あの女も曨範の様に単純なら良いのだけど…。
今日の対応できっと私の事を良い人だと思っていると思うのだけど、今度会ったら分かるわね。
まずは手懐けて曹操との事を聞き出さないとね。
まあ、仲良くしていればあんな女でも使い道があるかもしれないわ。
バカとハサミは使いようとか言うでしょ。なんでも使い方なのよ。
それに気になるのよね…。
あの女の髪と瞳の色が。
黒でも漆黒ではなく少し青みがかった様な黒だった。
あれは貴族に多い色…と言うか平民には滅多にいないはずだけど私の記憶違いかしら。帰って調べてみないといけないわ。
それに言葉も訛りがない。
これだけおかしいと思われる材料が揃う時は何かある。今までの経験からこれは当たっているはずよ。
「姫~、何を考えているんですか~。相手をしていただけないと淋しいですよ」
曨範が私に絡み付いてきた。
「もう!人が考え事をしているのを邪魔をするんじゃないわよ!」
絡み付いてきた曨範を身体から引き離す。
「姫~!」
「悲しそうに言っても今日は相手しないわよ」
私は考えをまとめる為にここに来たのよ。
ゆっくり考えさせなさい。
問題はどうやってあの女と仲良くなるかなのよね。
曹操の御姉様の紹介とか言ってから蘭宝様に近づく?
いや、それだと曹操に気がつかれて邪魔をされるかもしれない。できれば曹操には気付かれたくないわ。
でも会えるのはここか蘭宝様の所かしかないのよね…。
そうだわ!
そうよ、なぜこんな簡単な事を思いつかなかったのかしら。
フフフッ…楽しみなってきたわ。
待っていてね、私の玩具さん。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
王命を忘れた恋
水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
【完結】ええと?あなたはどなたでしたか?
ここ
恋愛
アリサの婚約者ミゲルは、婚約のときから、平凡なアリサが気に入らなかった。
アリサはそれに気づいていたが、政略結婚に逆らえない。
15歳と16歳になった2人。ミゲルには恋人ができていた。マーシャという綺麗な令嬢だ。邪魔なアリサにこわい思いをさせて、婚約解消をねらうが、事態は思わぬ方向に。
【完結】あなただけが特別ではない
仲村 嘉高
恋愛
お飾りの王妃が自室の窓から飛び降りた。
目覚めたら、死を選んだ原因の王子と初めて会ったお茶会の日だった。
王子との婚約を回避しようと頑張るが、なぜか周りの様子が前回と違い……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる