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29. お母様の秘密
しおりを挟む「この話しはいつか星蘭様にしなければと思っておりましたが…」
そこまで話すと茉央は黙りこんでしまった。
「茉央、私はもう何を聞いても大丈夫よ。もう16歳この国では成人の儀を行う歳になったのよ」
そう、この国では16歳は大人の仲間入りとされ、盛大に祝われる。
「そうですね…分かりました」
決意した様な表情を見せる茉央から語られた真実は驚きの連続だった。
「茉央、待って!もう一度確認するわよ私のお母様は本当に皇族の一員だったの?」
「はい。現皇帝の2番目の奥様との間に産まれたのがお嬢様です」
「お嬢様ってややこしいわね。じゃあ、お母様は皇女様…?」
「はい」
お母様が皇女?でもそんな素振りなんて無かったわ。それにお母様って殺されかけて逃げ出して身を潜めていたのよね?
「お母様って殺されかけたのよね?だから逃亡生活を始めたって前に教えてもらったと思うのだけど…覚え間違いかしら?」
「いいえ、あっています」
「誰かが皇女殺害を企てたのなら騒ぎになって捕まえるのが普通じゃないの?」
「…あの場所では普通は通じません。殺そうとした犯人がお嬢様よりも力のある方だったのです」
「は?皇女より力がある人なんてそんなにいないわよ。皇帝かその妻か兄弟姉妹…」
もしかして…そういうことなの…。
「はい、今言われた中に犯人と思われる方がいらっしゃいます」
お母様は家族から命を狙われたの!?
「証拠がなく捕まえる事はできず…。何度も命を狙われて…お嬢様は身も心もボロボロになってしまわれたのです。だからお嬢様はご自分で偽装工作をされて皇居から脱出され平民として生きる道を選ばれました」
そんな…お母様にそんな過去があったなんて。
「待って…じゃあ、もしかしたらお母様は生きているかもしれないと思っていたけど望みは薄いということ?」
「分かりません。拐った犯人が断定できていませんのでお嬢様の生死は分からないのです」
「そんな…」
やはり、皇族に近づかないとお母様の手がかりは見つけられないかもしれない。
「ねえ、茉央…約束守れないわ。私…皇族に近づいてお母様の行方を調べたい」
「星蘭様!駄目です、星蘭様の命が危険になります!星蘭様までいなくなったら私…私は…」
茉央が俯いて泣き出してしまった。
茉央にそっと近づき抱きしめる。
「茉央…大好きよ。心配してくれてありがとう、育ててくれてありがとう。だけどこのままにしておけないの、お母様の手がかりを見つけないとね」
「星蘭様…。分かりました、私もご一緒します。下働きとして雇ってくれそうな所を見つけてまいります」
さすが茉央ね、立ち直りが早いわ。
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