男装少女は復讐を誓う

縁 遊

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8. 一難去ってまた一難

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男達がこっちにやって来る…。

青晶の震えと汗が止まらない。

どうしよう、どうすれば…。

「青晶…ここで隠れててね。絶対に動いては駄目だよ」

青晶は青い顔をして頷いた。

私は拾った木を抱き締めて男達の前に行った。

「こんにちは!おじさん達何か探してるの?」

「なんだこのガキ…」

1人の男が鬱陶しそうに追い払おうとしたが、もう1人の男が止めて私の方にやって来た。

「おじさん達は人を探しているんだ。この辺りで君くらいの年齢で銀色の髪をした青い目の男の子を見たことないかな?」

やっぱり青晶を探しているんだ!

「僕はこの近くの村に住んでいるけどそんな子は見たことないよ。でも…」

「でも、なんだ?」

この男…優しい笑顔をしている様で目が笑っていない。

「何週間か前に川に落ちていく子を見たんだ…助けようとしたけど川の流れが速くて…その子の髪が銀色だった…」

男達は顔を見合わせて頷いていた。

「ボウズ、ありがとう!」

頭を軽く一回叩き男達は去って行った。

良かった…けど青晶をこのまま連れて帰るのは危険かも。

私は自分の髪をくくっていた紐を外し、木を束ねて持って帰る時に使う布を鞄から取り出した。

「青晶…大丈夫?これで髪の毛をくくれる?」

震えている青晶に紐を渡し、髪の毛をくくるのを手伝った。

「よし、これを頭から被って」

渡したのはさっきの鞄から出した布を三角に折ったもの。

「これを…被らなきゃダメ?」

青晶は被りたくないみたい。

「うん。さっきの人達に見つからない様にするためにはね」

そう言うと大人しく頭に布を巻いた。

少しでも銀色の髪を隠しておかないとね。

「さあ、もうお爺の家に戻ろう。薪はまた今度にして、秀峯には後で言っておくから」

秀峯が今回の枝拾いのリーダーなので後で怒られるだろうけど…命には変えられないよ。

「…わかった。星蘭に任せる」

私は辺りをよく見回して誰もいないことを確認した。

「ほら、走るよ!」

青晶と手を繋いでお爺の家まで走って帰った。

家の戸が閉まっていたので大きな声を出して戸を叩いた。

「お爺~!開けて!」

「枝拾いに行ったんではなかったのかい?」

お爺は不思議そうな顔をして玄関に出てきたので、私はさっきの男達の話をした。

「…そうか、そんな事があったのか。青晶怖かったじゃろ、部屋で休んでいなさい」

お爺は青晶の手をさすり優しく背中を押した。

「はい…」

青晶が大人しく部屋に入っていった途端にお爺が私の方を向き話し出した。

「星蘭、今回は何事もなかったから良かったが今度からは無茶をしてはならん。お前さんも追われる身だということを忘れてはいないだろうね…」

お爺は数少ない私の事情を知っている1人だ。

「…はい」

「この事は茉央にも話すからの」

「…それだけは止めてもらえませんか?」

お爺にお願いしたが却下されてしまった。

…茉央怒り狂うだろうな。
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