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88. 番外編 幸せ
しおりを挟む「うわ~、綺麗…やっぱり、皆には帰ってもらおう。こんな綺麗なサファイアは見せたくない…いや、見せては駄目だ。誰かにさらわれる…」
「はああ…結婚式の当日までこんな感じになるとわ…お式が心配です」
侍女のイルラが僕に聞こえるように大きな溜め息をつきながら言った。
「そうですね…結婚式は何事もなく終わる事を願っています」
サファイアまで…。
「お時間です。お願いします」
執事のバルダが呼びに来た。
いよいよ…結婚式の始まりだ。
教会の中にはお互いの親族と親しい友人が集まっている。
サファイアの希望で小規模の結婚式となった。
その代わりに披露宴は貴族達も呼んで大規模なものになるが…。
「では、誓いの口づけを…」
考え事をしている間にメインイベントまできていたか…。
本当はサファイアのおでこにキスを軽くして終わりの予定だったが、今日のサファイアを見て変更することを勝手に決めた。
こんな綺麗なサファイアに悪い虫が寄って来ないように…皆にサファイアは私のものだという事を見せつけないといけないからだ。
そして、僕は実行した。
サファイアのベールをあげて、サファイアの唇にキスをした。
一瞬、サファイアの身体がビクッとしたが抱きしめて動けないようにした。
「コホン…ウォホン…ゴホン!殿下そろそろ…」
神父が口づけを辞めるように言っているが、無視する。
すると、サファイアが手を動かして僕の身体を叩き出した。
そろそろ止めないと嫌われるかな…。
ゆっくりと唇を離すと、サファイアが顔を真っ赤にして涙目で睨んでいた。
「…嫌いですアデル様」
そう言って顔をプイッと横に向けられてしまった。
「あいつ…絶対に許せない…俺の目の前でサファイアに…あんな…」
義兄のクルシュナの殺意を後ろから感じる。
「…やっぱり、ダメでしたね」
イルラの溜め息も聞こえる。
「我が息子ながら独占欲が強すぎるな…ハハッ」
母上の笑い声も聞こえる。
「お兄様…」
弟の呆れたような声も聞こえる。
僕はサファイアの手を握った。
僕達は沢山の人々に助けられて生きている。
大切な家族、大切な仲間…そして、僕の隣には大切な愛しい人がいる。
僕は君が一緒にいてくれるだけで幸せだよ。
君もそう思ってくれると嬉しい。
これから、いろんな困難や試練があると思うけど、君となら乗り越えることができると思うんだ。
だって僕は君を助けるためなら頑張れるから…。
だから、いつまでも僕の隣で笑顔を見せてね。
君の笑顔が僕のエネルギー源なんだ。
愛しているよ…サファイア。
僕と出会ってくれて…ありがとう。
これで最終回となります。
最後まで読んで下さった皆様ありがとうございました。
お気に入り登録して下さった皆さんありがとうございました。
登録が増える度にやる気がでました。
今回は結婚式で終了となりましたが、読んでくれる方がいるなら結婚後の話しを書こうかなと思っています。
いつになるかは…わかりません。
その時はまた読んで頂けると嬉しいです。
11月4日現在でお気に入り登録91になりました。
終わってからも登録して頂きありがとうございます。
一区切りとしまして、登録が100になりましたら、続編を投稿しようと思います。
今度はアデルを主役にしようかと思っています。
気になる方は是非お気に入り登録をお願いします。
12月10日にお気に入りが100を超えました。
ありがとうございます。
アデル主人公で"神様!"シリーズとして今週末からでも連載を始めたいと思っています。
12月11日に続編「神様!僕の邪魔をしないで下さい」を投稿しました。
また、宜しくお願いします。
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