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71. この人が… 〈アデル視点〉
しおりを挟む今までで一番大きな雷が落ちたかと思えば…いつの間にか僕の前に1人の男性が立っていた。
誰だ?
魔術師…いや、今までの流れで考えると…神様?
後ろ姿しか見えないから良くわからないが…。
身体から何かを放出している…。
この神様が雷を落としていた本人か?
さっきアフロディーテ様が、本人が来た…とか言っていたよね。
凄い気になってしかたがないんだよね…。
「出てくるのが遅いんじゃないか…」
黒髪の神様はこの人を誘い出したかったのか。
「お前…こっちの事情を知っててやっているだろ」
こっちの神様は出てきたく無かったって感じがするな…。
「危ないからお前は離れていなさい」
僕の前にいる神様が始めてこっちを見た…。
…え。
…顔が似てるんですけど…。
どういう事だ…。
「早く!離れろ!」
「は、はい!」
ボーとしていたら叱られてしまった。
急いでその場から離れた。
それにしても…似すぎだろ?
もちろん神様なんだから自分が神様に似ているってことになるよね?
似ている…以上だと思うんだけど…。
そういえば昔、アフロディーテ様が初恋の人に似ている…って僕の顔を眺めていた事があったけど…。
それって、もしかして…あの神様の事?
何かいろいろと思い出してきちゃったよ…。
そう言えば昔母上に"僕の父上はどんな人なの?"って聞いたことがあったな…。
そうしたら"お空の上にいるのよ…"って言ったんだ。
僕は父上は亡くなって天国にいる…という意味だと思っていたけど…。
違うのか…。
空の上…って天界の事だったのかな…。
いや、そういう事は息子にだけでもきちんと話さないといけないんじゃないか。
パニックなんですけど…。
でも、そう考えると…話しが合ってくる。
神様とそっくりな顔をしているのも…。
いや、他人のそら似という事もあるのかもしれないが…。
僕を守る様に、雷が何回も落ちてきたのもおかしいとは思っていたけど…肉親なら説明がつくよ。
相手が神様何て人に言っても信じてもらえないだろう…だから母上は誰にも何も言わなかったのか…。
そんな秘密が…。
この人が僕の…。
そんなことを考えていたら、神様達の会話が聞こえてきた。
「会うのは何百年ぶりかな…」
黒髪の神様は半笑いしながら話しかけている。
「お前に会いたくなんてないけどな…何なんだよ一体…何がしたいんだ」
こっちの神様は凄い嫌そうだな…。
「お前…俺の姉にも手を出したらしいな…」
神様も姉弟がいるんだ。
「へ?…お前の姉。って誰だっけ…」
うわー。こっちは何だか自分の姿を見ているみたいだよ~。
しっかりしてよ~。
大丈夫なのか?
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