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54. 帰ってきました
しおりを挟む「サファイア~。無事で良かった~」
お屋敷が見えてきたと思ったら…ご主人様がお屋敷から走ってきました。
すごい、勢いで…。
お兄様が私の前に立ちはだかりましたけど…ご主人様に、これまた凄い勢いで…はじけ飛ばされました。
お兄様大丈夫ですか?
「サファイア、本物だぁ~」
ご主人様が私を抱き上げて、顔をスリスリと押し付けてきます。
嬉しがってくれるのは良いけど…。
チュッ…。
でた!止めて、止めて下さい。
前足で止めようとするが、いつものように掴まれて終了です…。
「ワン!」
『サファイアちゃん』
屋敷の前に会いたかった…。
『…ザジさん』
私は身体を思いっきり動かしてご主人様の手の中から抜け出した。
『ザジさん…無事で良かった…』
ザジさんは伏せの状態になってくれた。
私はそのザジさんの前足の間に入り込み顔に抱きついて、スリスリした。
ザジさんも前足で私を抱きしめるようなかんじになり、お互いに泣いた。
「ミャ~~…」
「ワオ~ン…」
それを見ていたご主人様が、泣いています。
感動の再会ですよね。
「サファイアは僕よりザジが良いの~」
…違う意味で…泣いてました。
ご主人様…。
良かった、ザジさんの傷が治っています。
あの時は傷だらけになって…ザジさんが死んじゃうかと思って泣いていたけど、今は嬉しい涙です。
『ザジさん、傷だらけになりながら守ろうとしてくれて、ありがとうございました』
『いいえ、結局守れなかったんだから、お礼なんていらないわ…』
ザジさん…良い犬すぎます。
『目が覚めたらサファイアちゃんの姿はなくて…長老に聞いたら、屋敷に帰ってきていないことがわかったから心配で…』
『心配かけてすいません。やっと、帰って来れました』
また、抱き合って泣きました。
その後ろでご主人様も、まだ泣いています。
『帰ってきたお祝いに、いつものする?』
その言葉、待ってましたよ!
でも…。
『傷は痛みませんか?』
『もう大丈夫よ。遠慮しないで良いわよ』
そうですか…。
『あ、でも屋敷の中に入ってからにする?』
『そうですね。そうします』
私達はご主人様を置いて屋敷に入っていった。
後ろでご主人様の引き留める声がしたような気がしたけど、気のせいかな?
ご主人様の泣き声はまだ、聞こえています。
そして、ついに待ちにまったザジさんとのモフモフタイムです!
これをやると、屋敷に帰ってきた感じがします。
アドレナリンが最大に出ている気がします。
私にはポーションより、モフモフが気力・体力の回復に一番効きます。
鼻血がでてもやりますよ。
あ~!
やっぱりザジさん最高~!
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