神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

縁 遊

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44. 意外な人物

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ここは確か…隣国でしたよね?

何故あなたがここにいるのですか?

それは相手も同じだったようで…。

「サファイア…何でここにいるんだ?」

いや、私も聞きたいですリルさん。

「リル、どうしたの?」

リルさんの後ろから綺麗な黒髪の女性が出てきました。

名前を呼びすてにしていたしリルさんの親しい人かな?でも、ここは東の魔女の家なんだよね…。

「久しぶりじゃな、エルナ。10年ぶりかの?」

「あら、本当久しぶりね。オババ様」

気さくな感じの魔女さんですね。

「今日は可愛い猫のお客様も一緒なのね」

可愛いなんてありがとうございます。

「ちょっと、訳アリでな…。家の中に入れてもらっても良いかの?」

「そうなの?どうぞ入って。リルはどうする…帰るの?」

「あっ…俺も話を聞いていいのか?」

リルさんでも気を使うんですね。
いつも、ご主人様には言いたい放題なのに…。

「いいんじゃない。ねぇ、オババ様いいでしょ」

先に家の中に入っていた、私達の方をエルナさんは振り返った。

「ああ、かまわんよ」

「ほら、良いってさ。早く入って」

リルさんの背中を押しながらエルナさんも入ってきた。
エルナさん達はテーブルを囲む様に椅子に座り、猫の私はテーブルの上にクッションを置いてもらって、そこに座った。

「オババ様は魔女の集会の事で来たんでしょ?」

「そうじゃ。それで、エルナの家に来る途中でサファイアに会ったんじゃよ。サファイアはその猫の名前じゃ」

説明ありがとうございます。

「サファイアちゃんは、どうしてこの森に居たの?」

「それは俺も知りたい」

リルさんも何故かこにいるのか…私も知りたいんですけど…。

「それは…」

クマナさんが私が話した事を全部2人に話した。

「お前…誘拐されたのか?じゃあ、アデルが心配してるんじゃないか?っていうか、暴れてるんじゃないか…」

リルさんが恐ろしい事を言っている。

「あいつ、お前の事を溺愛してるからな…教えるのも怖いな…」

溺愛ですか…?間違えてませんか?

「あら、そんなに可愛いがられているのね。素敵ね。でも、今は帰ると危ないんじゃないかしら…」

え…何故ですか?

『知りたい事があるから帰りたいんですけどダメですか?』

クマナさんが通訳してエルナさんに聞いてくれた。

「その男はサファイアちゃんの居場所を知っているのよね?…だとすると、そこに帰るとまた同じ事になるんじゃないかしら?」

そうだ、そうだよね…。
また、迷惑をかけてしまうかも…。
でも、どうしよう…他に行くところなんてないし…。

「これも何かの縁だから、家にしばらくいれば良いよ。オババ様も泊まっていきなよ。リルは帰りな…」

あ…リルさんは駄目なんだ。

でも、エルナさんありがとうございます。
今日、出会ったばかりの私をしばらくの間泊めてくれるなんて…良い人ですね。

でも…ザジさんが気になるな…。

「そうだ、知りたい事ってなんなの?」

リルさん、ナイスタイミングです。

『私を守ろうとしてケガをした犬のザジさんが無事かどうかを知りたいんです』

これも、クマナさんが通訳してくれた。

「私が見てあげるよ。水晶で…ちょっと待っててね」

リルさんが席を立って、水晶玉を持ってきた。

うわぁ~、絵本で見た魔女っぽいです。

リルさんが呪文を唱えると、映像が見えてきた。

「この大型犬がそうかな?ケガはしているけど、大丈夫みたいだよ」

私は水晶玉にしがみつき泣いた。

良かった…ザジさん…よかったよ…。

ザジさんの無事を確認したら、ホッとしたよ。

落ち着いたら気になってきちゃった。


リルさん、何でここにいたの?




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