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39. どうして、こうなった?
しおりを挟む「なんだ、何故こんな事に…」
僕は今、西の森に来ている。
たった一晩で森の多くの木が倒されたり、燃えたりしている…。
一体何があったんだ…?
「アデル様向こうの調査は済みました」
「わかった。じゃあ、次に行こう」
僕が任されている領地で最近色々と事件が起こるのはどうしてかはわかっているが、他国でここまでするか?
サファイアやその兄に何故ここまで執着しているのかが理解出来ない。
しかも、相手は一国の王子だ。
王子なら国交問題になると考えないのか?
あの、バカ王子!
兄貴に言いつけてやろうかな…。
お兄さん達の姿も見えないし、何処にいったのだろう?
話で聞いた聖獣様達にもお会いしたかったが、お兄さんと一緒に移動したのだろうな。
これを知ったらサファイアが心配するだろうな…。
秘密にしておかないとな。
「にゃ~!」
幻聴か?サファイアの鳴き声が聞こえる…。
「ワンワン!」
今度はザジ?疲れているのかな…。
ドス!っと背中に何かぎ乗っかってきた…。
後ろを振り返ると…。
「サファイアとザジ…何でここにいるの?!」
ザジはめったに外に出ないのに、どうした?
尻尾は全力で振っているな…。
楽しいのか?
「ザジ…サファイアと一緒で楽しいのか?珍しいね散歩以外で外に出るなんて…」
問題はサファイアだよね。
僕が外出禁止って言ったのを忘れたのかな?
こんな危ない所まで来て…お仕置き決定だよ。
「サファイア…僕との約束を破ったんだね…悪い猫ちゃんだね…」
今すぐ、屋敷に連れて帰りたいけど調査がまだ途中だから無理だな…。
「ザジ、サファイアを連れて西の魔女の所に行ってくれるかい?」
「わん!」
『了解よ!』
ザジはサファイアの首根っこを甘噛みして連れて行ってくれた。
僕は愚かにもこの時気づいていなかった。
いや、微かな魔力が残っていることを気にしていなかった、というのが正解かもしれない。
不用心にサファイアの名前を何回も呼んでしまった事…。
その微かな魔力が映像を撮る魔道具から出ていたことを…。
ザジがあんな目に合うことを…。
僕がこの後、サファイアをしばらく見ることができなくなるなんてことを…この時の僕は想像もしていなかった…。
調査が終わり西の魔女の所に向かったが…。
サファイアの姿も、魔女の姿もなく、傷だらけのザジが横たわっていただけだった。
「ザジ!大丈夫か!」
僕はザジに駆け寄り抱きしめた。
「クウ~ン。ワフワフ…クウ~ン」
『ごめんなさい。ご主人様…。サファイアちゃんを連れて行かれてしまった…』
ザジが僕に何かを伝えようとしている。
おそらく、サファイアの事だろう。
サファイアは気になるが、このままだとザジが危ない…僕は後ろ髪を引かれる思いだったが、一旦屋敷に帰りザジの手当てをしてもらったが…今夜が峠だそうだ。
「ザジ…頑張れ」
ザジは僕が幼い頃からの付き合いだ。
友達でもあり家族でもある。
お年寄りだから何時かは…と覚悟をしていたが…こんな形でのお別れは絶対に嫌だ!
サファイアをさらって、ザジをこんな目に合わせた奴を僕は絶対に許さない…。
待っていろハイリ!
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