神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

縁 遊

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18. 新しい出会い

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今日は、魔女のクマナさんに会いに行こうと思っています。

屋敷内で聞き込みをしましたが、目撃者は見当たらず…。

最後の砦、魔女さんの魔力を借りて何とかあの夜の出来事を知ることができないかと考えたからです。

本当に、満月の夜の次の日からのご主人様が…。

溺愛というんですかね…凄いんです。

スキンシップもスゴいし、私への付きまといなんかはストーカー?と思えるほどなんです。

今までの比じゃありません。

本当、満月の夜の記憶もないし、この異世界に生まれてからの記憶もないし…私はどうなっているのでしょうか?

魔術のせいじゃなくて、脳の病気とかじゃないよね…。


誰か、パアッと魔術を解いてくれたりしないかな…。

色々と考えているうちに魔女のクマナさんのお家に到着しました。

『クマナさ~ん。いらっしゃいますか~?』

「いるよ。入っておいで」

『お邪魔します』

お家に入ると、クマナさんと見慣れない犬さんがいた。

『すいません。お客様が来てるなんて知らなくて…』

「良いんだよ。気を使うような相手じゃないから」

『ひどい言い方だな、クマナ婆さん。はじめまして、俺はクルシュナだ。よろしくな、猫のお嬢さん』

うわぁ~。カッコイイ。新たなモフモフさんだ~。

全身真っ白な大型犬さんです。首に赤い石のついたネックレスをされてます。
雰囲気は狼さんみたいな感じです。
凛々しいです。

あっ、見とれている場合じゃないですね。

挨拶しないと。

『サファイアと申します。どうぞよろしくお願い致します、クルシュナさん』

私が挨拶をしたら、クルシュナさんが少し驚いたように見えた。

私の言葉、どこか変だったかな?

『サファイアって良い名前だな。誰が名付けたんだ?』

『ご主人様が名付けてくれました』

『そうか…その耳のピアスもご主人様が着けたのか?』

『いえ、これは違います。』

誰が着けたのか私もわからないんですよ。

「それで、サファイアは私に何の用じゃ?」

あっ、そうでした。

相談しにきたんです。

格好いいモフモフさんに見とれている場合じゃないですね。

『相談があって…』

私は、チラッとクルシュナさんの方を見た。
クルシュナさんに聞かれるのは恥ずかしい。

『俺は、帰るとするよ。またな、クマナ婆さん』

空気を読んでくれたんですね、ありがとうございます。

「それで、どうしたんじゃ?」

クマナさんに満月の日の事と、その後日の事を話した。

「そうじゃな~。記憶を探る魔法はあるが、お前さんのように、覚えていない人に、それが効くかどうか…」

そうなんですね。

とりあえず、やってもらって駄目ならあきらめようかな…。

『お願いしても良いですか?』

「わかった。やってみるよ」

クマナさんは私をクッションの上に寝かせると、呪文を唱え始めた。

唱え終ると、一瞬周りが光で包まれた。

「ふむ。一瞬だけだが、お前さんの人間の時の姿が現れたよ」

一瞬だけ?

確かに綺麗な少女だったから、ご主人様に惚れられたのかもな。ヒヒッ。

クマナさん、最後の笑いかた…。

「姿以外はわからんな。残念だが…」

そっか、残念です。

でも、美少女ってわかっただけでも良かったです。

できるなら、自分で見たいけど…。

『ありがとうございました。クマナさん』

「ああ、また何かあったら何時でもおいで」

『はい』

結局、ご主人様との間に何があったのかはわからなかったけど、人間になるというのが本当だったということがわかったよ。

ドン!

イテテテ…。

考え事をして歩いていたら誰かにぶつかっちゃったよ。

『すいません』

あれ?

『クルシュナさん!』

さっきの格好いいモフモフさんだよ。

『すまんが、ちょっと来てくれないか?』

え?

私どうなるの?

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