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15. 満月の夜 ①
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ハァ~~~。
いよいよだよ。
きちゃったよ…満月の日。
あれからは神様のお知らせはない。
しばらくは無いだろうな…。
「サファイア、元気がないみたいだけど大丈夫かい?」
ご主人様…。
そう、今日の1番の問題はこの人をどう振り切るかだ。
ベッドに連れていかれたら、逃げ出すのは難しい。
夕食を食べたら、すぐに姿を消そうと考えているけど、絶対にご主人様は捜すだろうな…。
前に、猫の集会に行って帰って来たら心配して捜していたもんね。
書き置きが出来れば良いんだけど…。
猫だと肉球ハンコで精一杯だよ。
「ザジの所に行くかい?」
………。
そうですね。
一旦、悩みは置いといて、モフモフタイムで癒されようかな。
「元気になったみたいだね」
「ミャ!」
ご主人様は、私の事をわかってるね。
ザジさーん、何処ですか~。
「あ…サファイアちゃん、ザジを捜してるなら今は駄目だよ。お風呂に入ってるから」
侍女のイルラさんが教えてくれた。
ガーン!!!!!
モフモフ…。
「ごめんね。サファイア、忘れていたよ。そんなにガッカリしないで…」
無理です。ムリなんです。
気持ちを切り替えたところだったので…。
ハァ~。
いっそのこと、今から家を出ていこうかな…。
モフモフできないし、デキナイシ…。
うぅっ…。
泣きたくなってきたよ。
なんか、いろいろと辛くなってきた。
私、どうなちゃうのかな?
人間になるのは良いけど、いつ猫に戻るのかな?
本当、神様いいかげんすぎるよ!
ハァ~。
いろいろと思い出しちゃった…。
2番目に悩んでいるのは人間になる瞬間を人に見られないようにしないといけないということ。
どこなら人目につかないのかな?
お屋敷の庭なら誰も入ってこないから大丈夫かな?
庭っていっても、すごい広い森みたいなんだよ。
しかも、池というか湖みたいなのもあるの、ビックリだよね。
ご主人様はきっと、お金持ちなんだろうな。
やっぱり、いろいろ考えた結果、お屋敷の森によう。
人間になった自分の姿にも見たいから、湖とかがあるとすぐに見れるよね。
でも、人間になった自分なんて想像できないな~。
どんな顔をしてるのかな?
美人だと嬉しいけどな。
…あまり期待するのは良くないか。
想像と違うとショックが大きくなっちゃうよね。
猫の私、手足も短いしなぁ…。
いけない、違う意味でガッカリきちゃった。
「サファイア、ご飯だよ。早くおいで」
やった!ご飯だ。
よし、ご飯を食べて気合いをいれるぞ。
その後、ご主人様から逃げて、庭の森に行く。
計画も完ぺきだ!
…と思ってたけどご主人様に捕まっています。
最悪なことに入浴中です。
どうするの?こんな時に人間になったら…。
もう、今日は抵抗しませんから、早くすませてもらえますかご主人様?
「今日は大人しいんだね。どうしたの?」
ご主人様、おしゃべりはしなくて良いので、手を動かしてくださいね。
こっちは乙女の危機なのです。
ご主人様の前で裸のまま人間になったら、もう、このお屋敷にはいられません。
モフモフ生活も、美味しい食事も、快適な生活も、全部捨てないといけなくなるんです。
それは避けたいんです。
「何だか、大人しいというより、冷たい空気が漂っているような気がするけど…気のせいかな?」
気のせいではないですよ、ご主人様。
これが終わったら西の魔女さんからもらった人間の服をを取りに行って、庭に行かないと…。
ご主人様、私は今、ピンチなのです。
ご主人様、早く毛を乾かして下さい。
ご主人様、早く毛をといてください。
ご主人様、リボンとかはいりませんから!
「シャー!!!」
ご主人様、だから乙女のピンチなんだってば~!!!
いよいよだよ。
きちゃったよ…満月の日。
あれからは神様のお知らせはない。
しばらくは無いだろうな…。
「サファイア、元気がないみたいだけど大丈夫かい?」
ご主人様…。
そう、今日の1番の問題はこの人をどう振り切るかだ。
ベッドに連れていかれたら、逃げ出すのは難しい。
夕食を食べたら、すぐに姿を消そうと考えているけど、絶対にご主人様は捜すだろうな…。
前に、猫の集会に行って帰って来たら心配して捜していたもんね。
書き置きが出来れば良いんだけど…。
猫だと肉球ハンコで精一杯だよ。
「ザジの所に行くかい?」
………。
そうですね。
一旦、悩みは置いといて、モフモフタイムで癒されようかな。
「元気になったみたいだね」
「ミャ!」
ご主人様は、私の事をわかってるね。
ザジさーん、何処ですか~。
「あ…サファイアちゃん、ザジを捜してるなら今は駄目だよ。お風呂に入ってるから」
侍女のイルラさんが教えてくれた。
ガーン!!!!!
モフモフ…。
「ごめんね。サファイア、忘れていたよ。そんなにガッカリしないで…」
無理です。ムリなんです。
気持ちを切り替えたところだったので…。
ハァ~。
いっそのこと、今から家を出ていこうかな…。
モフモフできないし、デキナイシ…。
うぅっ…。
泣きたくなってきたよ。
なんか、いろいろと辛くなってきた。
私、どうなちゃうのかな?
人間になるのは良いけど、いつ猫に戻るのかな?
本当、神様いいかげんすぎるよ!
ハァ~。
いろいろと思い出しちゃった…。
2番目に悩んでいるのは人間になる瞬間を人に見られないようにしないといけないということ。
どこなら人目につかないのかな?
お屋敷の庭なら誰も入ってこないから大丈夫かな?
庭っていっても、すごい広い森みたいなんだよ。
しかも、池というか湖みたいなのもあるの、ビックリだよね。
ご主人様はきっと、お金持ちなんだろうな。
やっぱり、いろいろ考えた結果、お屋敷の森によう。
人間になった自分の姿にも見たいから、湖とかがあるとすぐに見れるよね。
でも、人間になった自分なんて想像できないな~。
どんな顔をしてるのかな?
美人だと嬉しいけどな。
…あまり期待するのは良くないか。
想像と違うとショックが大きくなっちゃうよね。
猫の私、手足も短いしなぁ…。
いけない、違う意味でガッカリきちゃった。
「サファイア、ご飯だよ。早くおいで」
やった!ご飯だ。
よし、ご飯を食べて気合いをいれるぞ。
その後、ご主人様から逃げて、庭の森に行く。
計画も完ぺきだ!
…と思ってたけどご主人様に捕まっています。
最悪なことに入浴中です。
どうするの?こんな時に人間になったら…。
もう、今日は抵抗しませんから、早くすませてもらえますかご主人様?
「今日は大人しいんだね。どうしたの?」
ご主人様、おしゃべりはしなくて良いので、手を動かしてくださいね。
こっちは乙女の危機なのです。
ご主人様の前で裸のまま人間になったら、もう、このお屋敷にはいられません。
モフモフ生活も、美味しい食事も、快適な生活も、全部捨てないといけなくなるんです。
それは避けたいんです。
「何だか、大人しいというより、冷たい空気が漂っているような気がするけど…気のせいかな?」
気のせいではないですよ、ご主人様。
これが終わったら西の魔女さんからもらった人間の服をを取りに行って、庭に行かないと…。
ご主人様、私は今、ピンチなのです。
ご主人様、早く毛を乾かして下さい。
ご主人様、早く毛をといてください。
ご主人様、リボンとかはいりませんから!
「シャー!!!」
ご主人様、だから乙女のピンチなんだってば~!!!
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