神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

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14. 西の魔女さん

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『すいませんスーさん。案内をお願いしてしまって…』

『いいのよ。私も西の魔女に久しぶりに会いたいと思っていたからね』

長老さんが昨日のうちに、娘のスーさんに話をしてくれていたらしく、屋敷までわざわざ迎えに来てくれのだ。

どうやら、西の魔女さんのお家は、私が最初に目覚めた森の中にあるみたいだ。

懐かしいなー。日が過ぎるのはあっという間だなと思っていた。

もし、あの日に長老さんと出会わなければ、私はどうなっていたんだろうか?

きっとあのまま餓死ってこともありうる…。

本当に長老さんとの出会いに感謝です。

ひょっとして、長老さんはあの日、西の魔女さんのお家に行った帰りだったのかもしれない。

そんなことを考えているうちに、西の魔女さんのお家に到着した。



『クマナ婆ちゃ~ん。居る~?』

スーさんが扉の前で呼び掛けた。

「誰だい?」

扉が開いて、白髪の腰が曲がった女性が出てきた。

「おや、久しぶりだね。スー」

『久しぶり。クマナ婆ちゃん』

「そっちの子は、はじめましてだね」

『はじめまして。私はサファイアと言います。今日はお聞きしたいことがあってスーさんに連れてきてもらいました』

「そうなのかい。まぁ、小さな家だが2人とも入りなさい。ミルクくらい出すよ」

ヤッター!ミルク!

…って嬉しいけど、今は問題解決が先だよね。

…スーさん、もう飲んでる。

美味しそう。

じゃあ、私も一口…って、違うよね、問題解決が先だよね。

食べ物とモフモフに弱すぎだよね、私…。


「で、私に何が聞きたいんだい?」

どうしようかな、魔女さんには嘘をつかずに本当の事を話した方が良いような気がするんだよね。

スーさんも聞いてるけど…。

おかしい猫と思われても仕方ない!ここは正直に話そう。

『あの~、実は…私…人間の服が欲しいのですが…』

「何に使うんだい?」

『…自分用なんです』

「あんた、本当は人間なのかい?」

驚かないんだね。わかるのかな?

スーさんはミルクに夢中で聞こえてないかな?

『私もよく、わからないんですけど…神様が満月の夜だけ人間の姿になるって言うので…』

「…それで、あんたから変な魔力を感じるんだね」

やっぱり、魔力がある人は感じるんだね。私にかけられた魔法の魔力。

「服なら私の若い時の服をあげるよ。持っていきな。魔法で小さくしてやるから、着るときは呪文を唱えるんだよ」

『ありがとうございます。助かります。』

そうなんだよ。服を持って帰っても私が人間の服を隠していたらどう考えても、おかしいなと思ってたんです。

助かります。これで悩み事も1つ解決。

ん?でも、クマナさんの若い頃の服?
大丈夫かな…。

『それと、次の満月っていつなのかを教えてもらえますか?』

「明日だよ」

『え?!え~と…』

「明日だよ!」

『…明日ですか…』

「ああ。明日が満月だよ。大丈夫かい?」

『………。』

か・み・さ・ま~~!!!(怒)

ひょっとして、ギリギリ伝えたから私に怒られると思ってすぐに通信を切ったの!!

信じられない…。

長老さんに相談してなかったらヤバかったじゃん。

もしも…が本当になるところだったよ。

ご主人様のベッドに入り込む謎の裸女…。

シャレにならないよ~!


フッ、神様やってくれましたね。

フフッ…今度の通信を楽しみにしてますよ…神様。







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