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4. 猫って大変
しおりを挟む何だか美味しそうな匂いがする…。
ぐ~きゅるる~。
何の音かと思うくらい大きい私のお腹の鳴る音です。
猫でもお腹なるの?
誰も聞いてないですよね。
周りを見回すと…いたよイケメンさんが…。
「目が覚めたかい?サファイア」
さっきのお腹の音を聞いてましたか?
たぶん、聞いてましたよね…恥ずかしい…。
ん?
……サファイアって誰?
「猫ちゃんだと味気ないから、猫ちゃんの瞳の色からサファイアって名前にしたんだけど嫌かな?」
え…。私の思っていることわかるの?
…偶然だよね。
私の名前?
サファイアって可愛い名前だよね。
気に入ったよ。
「ナァ~」
可愛く鳴いてみた。これでわかりますか。
「気に入ってくれたみたいだね」
イケメンの笑顔眩しいです。
くぅ~。
こら!まだ鳴るか私のお腹。
「お腹がすいてるんだよね。とりあえずミルクを温めてるよ。飲むかい?」
ミルク~。飲む。飲みます。
ありがとうございます。
「ミャ~、ミャ~、ミャ~」
涙がでるくらい美味しいです。
「果物もあるよ。食べる?」
神様より神々しく見えます。イケメン様。
もちろん、食べます。
あぁ~、満腹です。
イケメンが優しく見守ってくれています。
だけど、さっきまで見られてるのを忘れてガツガツ食べて、飲んでしまいました。
1度ならず2度までも恥ずかしい姿をお見せしてしまいました。
もうどうにでもしてください…。
私は、イケメンさんの前で、パンパンに膨らんだお腹を見せて、大の字で仰向けに寝転んだ。
「ん?撫でてほしいの?」
違うの、謝罪なの。
でも、そうかこの体勢はヤバい…。
イケメンさんにパンパンに膨らんだお腹を撫でられてしまう。
シュタッと素早く反転しました。
もうどうにでもしてください、と思ったのが間違いだね。
ふぅ~、危なかったよ。また、乙女の恥を晒すところでした。本当なら土下座でもしたいところだけど猫だと伏せみたいになるから、わからないよね。
「残念。お腹を撫でさせてくれないの?」
イケメンが残念そうです。そんな悲しそうな顔をしてもダメです。いくら恩人でも、私はまだ、嫁入り前なのでそんな簡単に触らせません。
そりゃ、自分からお腹を見せて仰向けに寝ましたよ…。
それに、もうイケメンさんには数々の恥ずかしいところは見られてますが…。
でも、お腹を直接お触りはダメです。
私はイケメンさんをキッと睨んでみました。
そういえば今、思い出したけど、
長老さんは何処にいるのかな?
『長老さん、何処ですか?』
『ここじゃよ。』
部屋の隅のテーブルの上にある、フカフカのクッションの上に長老さんは寝ていた。
『お腹はいっぱいになったかい?』
『はい。長老さんがここに連れて来てくれたおかげです。ありがとうございました』
『良かったな。ここの家の人は、皆良い人ばかりだからお嬢ちゃんのことも可愛がってくれると思うぞ』
『私をこのお家で飼ってくれるですか?』
『ああ。さっきそんなことを話していたからな』
やったー!
ここなら、食べ物にも困らないよね。
家の中なら寒さや暑さに困ることもないだろうし、ありがたいです。
長老と話をしていたら背後から人影が…。
イケメンさんに持ち上げられました。
今度は何ですか?
「お風呂に入って綺麗にしようね」
『NO~!!!』
肌を見られただけでも恥ずかしいのに、全身を触られるのは勘弁してください。
お嫁さんに行けなくなりますから…。
お願いします…やめて…ヤメテ…止めて~!!!
………。
結局…全身いい匂いになりました。
猫って大変なんですね。
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