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1. いいかげんな神様

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 「ニャンニャ~!!」

 自分では『何で~!!』と叫んだつもりなのに、実際に聞こえてきたのは人とは違う猫の声…。

 酷いです…神様…。

 先ほど目が覚めて顔でも洗おうかと川を覗いたらそこに写った姿はまぎれもない猫の姿だった。

 私には人間だった前世の記憶がある。

 人間から猫に転生するなんてありなの?
 聞いたことないよ。

 確かに、目が覚めて歩く時にやけに目線が低いなと思いましたよ、でも、赤ちゃんだからかな?と思って四つん這い歩きにも疑問をもちませんでした。
 
 でも、猫って…。
 どうして?
 
 神様に、この世界に転生するにあたり希望はないかと聞かれたから『モフモフに囲まれて暮らしたい』と言いましたよね?
 それって自分は人間に転生する前提での話をしていたんですけど…。

『オーイ!神様~!聞こえてますか~!』

『聞こえてるよ~』

 通じた!

 『神様、私は自分がモフモフになりたいんではないんです。自分は人間に転生してモフモフさん達に囲まれたいんです』

 『そうだよね。僕もそのつもりで書きかえたんだけど…どうして猫になってるの?』

 イヤイヤ、聞きたいのは私ですよ。
 私がわかるわけないじゃないですか。
 大丈夫か?この神様。

 『おかしいな~?どこか、この世界に歪みがあるのかもしれない。詳しく調べないと分からないから、しばらくその姿でいてもらっていい?』

 『しばらくって、いつまでくらいですか?』

 『うーん。僕にも良く分からないんだよ。それに君から変な魔力も感じるんだよね…』

 私が魔力持ちってこと?

 『誰かに…転生してすぐに何かの魔法をかけられてるみたい…』

 何それ。

 何かの魔法って何?

 『実は僕さ~、何百年かに一度あるスランプなんだよね…今』

 え!

 神様にもスランプってあるんですか!

 『だからね、ちょっと時間がかかるけど大丈夫だと思うから、その姿で頑張ってね』

 神様は言うこと言ったらすぐに消えてしまった。

 大丈夫って、何が大丈夫?

 いいかげんな神様だな。

 でも、今すぐに人間になれないのは決定みたいだね…。

 よし、こうなったら猫の世界を楽しんでやる!

 そうだよ、考えてみたら、猫って仕事にも行かなくて良いし、難しい勉強もしなくて良いし、のんびり過ごしたい私には良いかもしれない。


 こうなったら猫生活を楽しむぞ~!!

 
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