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5. 意外なハッピーエンド
しおりを挟む「メルモ…本当に婚約を解消しても良いのだな。まあ、最近は良い噂を聞かんからな…。」
その噂は私のせいなんですけどね。
「はい。お父様手続きを宜しくお願いします。」
復讐を全て終えて私は婚約解消の意思をお父様に伝えました。お父様は私がテオルド様を好きだったのを知っているので不思議に思ったのかもしれません。
諜報部員達にもお父様には知らせない様にと言っていたのでお父様は何も知らないのです。
「婚約を解消した後はどうするんだ?」
「暫く婚約者はいりませんわ。研究に没頭したいと思っております。」
「そうか…。実はなお前の事を婚約者にしたいと言っていた人物がいるのだが…。」
私は、そんな奇特な人物がいるのだと驚きました。だって婚約破棄をした令嬢ですよ!?しかもこんなにすぐに?
「お相手はどなたなのでしょうか?」
「メルモがよく知っている人だ。」
誰でしょう?まったく見当がつきませんわ。
「実はな…少し前から、もし婚約が解消されたら自分と婚約させてほしいと言われていたんだよ。」
「え?」
何ですかその人…。まるで婚約解消を知っていたみたいな感じじゃないですか。
「イリアスだよ。」
「え!?イリアス様が!」
私は思わず大声を出していた。淑女としてはしたないかもしれないけど、驚きすぎたのだから仕方がないわよね。
イリアス様は私の父…この国の魔法省に勤める父の部下でワマム伯爵家の嫡男だ。
私とは顔見知りと言うか…幼馴染みと言うか…。
歳はイリアス様が7つ上なので、私は兄のように慕っていたのです。
だって、イリアス様ってオタク気質というか…歳は離れていますが話が合うんです。
あの薬の組み合わせはどうとか、あの魔法はここを変えると威力が増すんじゃないかとか…。研究熱心で2人で議論していて長時間経っていることに気がつかず、仕事から帰宅したお父様に「こんなに遅くまで男女2人きりで同じ部屋にいるとは許せん!」といって怒られたこともありましたのよ。
あのイリアス様が…私のことを異性として見てくれていたのですね。
「本来なら本人から言いたかっただろうが、こうなったら全部話そう。イリアスの初恋はお前らしいぞ。」
「え?」
さっきから驚きの連続なのですが…。
「遅い初恋だよな。25歳になった今も初恋を諦めきれずに結婚をできないでいるらしい。だから、もし婚約解消したら…と言われていたんだ。」
お父様は何とも言えない表情をして私に話してくれています。
「お前が嫌なら断るが…どうする?」
イリアス様…はっきり言ってテオルド様の時のように熱い感情があるわけではないですが、前世でいうならばオタク仲間の様な雰囲気で付き合っていけるかも…。
一途に私を好きで待っていてくださった人なら浮気の心配もないわよね。
「…お受けしますわ。」
私はイリアス様と婚約し、その後結婚しました。今はとても幸せですわ。
今も愛するイリアス様の為に、赤い薬と青い薬を使い分けて飲んでいることは誰にも秘密です。
この物語はこれで終わりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
楽しんでもらえていたら嬉しいです。
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