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4. 作戦その2
しおりを挟むテオルド様の新しい恋人がドナリ男爵家の次女アリル様ということがわかりました。
さすが我が家の諜報部員達は優秀ですわ。私が指示していなかった面白い情報もお土産にしてくれましたのよ。
アリル様はどうやら人の恋人にしか興味を持たない方らしいのです。
テオルド様にも婚約者がいることを知って近づいたということになりますわね…。
質がお悪いこと…。
これは「◯に代わってお仕置きよ!」というやつですわね。
今回はどういう作戦でいこうかしら…。
そうね…今度は青い薬を使ってみようかしら。
いつもは着ない様な胸元の開いていて、身体のラインが分かるくらいのピッタリとしたドレスを用意しました。
青い薬は年をとると10歳くらい年をとるだけでなくメリハリボディーになることもできるようにしましたのよ。
フフッ…アリル様がどんな顔をされるのか楽しみですわ。
夜、アリル様が出席される予定のパーティーを調べてコネを使い潜りこみました。
居ましたわね。
ピンクのフワフワな髪の毛は目立ちます。
ターゲットロックオンですわ!
「やだ~、ダズル様ったら。」
今日も違う男性に身体を密着させていますわね。つい最近、テオルド様とお別れをしたばかりだというのに…恋多き女という人でしょうか?前世で喪女だった私には理解できませんわね。
さて、やりますか。
私はアリル様達の近くまで歩いて行くと男性にわざと持っていたワインをかけました。
「あ!申し訳ございません。足元がふらついてしまって…。」
胸元からハンカチを出して男性の濡れた洋服を拭くために少しかがむ体制をとりました。もちろん大きく開いた胸元はしっかりと男性から見えるように…。
「ちょっと!何してるの!?ダズル様大丈夫ですか?」
アリル様がお相手に話しかけていますが、残念ながらお相手の方は私の胸元を見ることに集中していて聞いていらっしゃいません。
「ねえ、ダズル様!ダズル様ってば!!」
胸をダズル様に押し当てながら身体を揺さぶって視線を自分に戻そうとしていますが…。
バカね…。
色仕掛けで落ちる男はより上の色気をまとう女性がでてきたらそちらに移るのよ…。
アリル様が今までやって来たことでしょう?
「失礼しました。ダズル様とおっしゃるのですね。私はナリスと申します。ここではどうにも拭きにくいのであちらに来ていただいても宜しいでしょうか?新しいお洋服も用意させますわ。」
大人達が利用する部屋の方をチラリと見た後、私は下から上目遣いでダズル様の顔を見上げた。もちろん胸はしっかりと見せていますわ。
「貴方のパートナーの方は宜しいのですか?」
釣れましたわね。
「ええ。私は未亡人なので…ご心配はいりませんわ。ここには1人で参りましたので。」
この国で未亡人が部屋に誘うというのは別の意味があるのです。
それは大人の秘密ですわ。
「そうですか…。では、あちらで着替えさせてください。」
はい!落ちましたー!!
「ちょっ!ダズル様!私はどうなるのよ!」
アリル様がまた鬼の様なお顔をしていらっしゃいますわ。
「あ、アリル嬢…。まだ居たのか?私はこの人と行くから君も誰か他の人を探すと良いよ。」
「え?え!?嘘でしょ?!ちょっと!!」
アリル様のあの驚いた顔…。
私達が部屋に入るのを呆然と見ていたみたいですわ。
貴女が今までやってきた事を目の前で再現しただけですのよ。
あっ、ご心配なく。
部屋に入ってからは我が家の変装した諜報部員達が活躍してくれましたので、ダズル様とは清い関係ですから安心して下さいね。
ああ~、これでスッキリしましたわ!!
それにしても…このまま胸の部分だけで良いから残らないかしら…。
峰◯二子様のようで気に入ってるんだけど…。
あっ、胸がしぼんでいきますわ!
…夢は儚いものですわね。
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