3 / 5
3. 作戦開始!
しおりを挟むカフェから帰宅した私は2人に気がつかれないように計画を考えましたの。普段はいつ通りに何事も知らないふりをして過ごしました。
屋敷にかえってから、どうやって復讐してやろうか!と考えた結界、思いついたのが夢の薬でしたの。
これを使ってどうやって復讐するのか?
知りたいですか?
それは今から実践して見せますわね。
あの2人の行動は我が伯爵家の力で調べあげていますのよ。婚約者にはまだ言っていませんでしたが、我が伯爵家は王家の情報屋と言われていますのよ。調べて結果を出さないなんてありえませんわ。
情報によると、今日のこの時間は2人で私が最初に見かけたカフェでお茶をしているはずですわ。
まずは…街に行き、この赤い色の若返りの薬を飲んで5歳くらいの少女になります。
服も自動的に小さくなるなんて、なんて素敵!
私って天才!
…じゃなくて、ここからが肝心です。
え~と、婚約者はどこに…いましたわ!
噴水の前で恋人と歩いていますわ。
ターゲットロックオンですわ!
もうカフェタイムは終わったのかしら?
でも、チャンス!
私は急いで近づいて、テオルド様の服を引っ張りました。ここで一言!
「お父様…。」
「「え!!」」
涙目でテオルド様の顔を見あげます。
「誰なのその子…。今、お父様って言わなかった?」
恋人の方が先に反応しましたね。
あら、やだ顔が鬼の様になっていますわよ。
「え!いや、誤解だよ!こんな子供知らない!!僕に子供なんていない!!」
私を振り払おうと必死ですね。ですが、私も負けませんわ。
「お父様…ひどい…。ふぇ~ん。お父様…私を忘れたの~!あまり会えないからってひどい~!わーん!!!」
周りの人達にも聞こえるような大声で、大泣きしてやりました。
周囲の人達から白い目で見られていますね。
ホホホッ!いい気味ですわ!!
「ちょ…ちょっと、どういうこと?私の他にも女がいるの?しかも子供まで産ませたのね?信じられないわ!」
パチーン!
恋人は激怒してテオルド様の頬をひっぱたきその場から離れてしまいました。
テオルド様は慌てて彼女の後を追いかけようとしますが、私が足元で引っ付いているので動けません。足からはなそうと足を振っていたら、見事に私が蹴られたようにぶっ飛びんでやりました。
もちろん、落ちる直前にしっかりと風魔法を使用してクッションのように使い地面ギリギリでダメージのないようにしましたよ。
しかし…周囲の人達からは私を蹴り飛ばした酷い男に見えた訳で…。
「うわ~ん!!」
ちゃんと目に涙が出る薬を仕込みながら大泣きの真似をします。
「おい、お前酷すぎないか?こんな小さな子供を蹴り飛ばすなんて!!」
優しい男性が私を抱き起こしてくれます。
「そうよ!しっかりと見ていたわよ!自分の子供によくもそんな酷いことができるわね!!」
見ていた女性が持っていたハンカチで涙を拭いてくれます。
「え!いや、違う…。俺は…。」
テオルドは人々に睨まれてタジタジになっているみたいです。
あっという間にテオルドは大勢の人達に囲まれてしまいました。私はその隙に…その場を離れます。
あれ?そう言えばこの薬って何分くらい有効だったかしら?
小さくなった時みたいに服も大きくなるのかしら?
いやん、早く帰らないとこんなところで服がキューティー◯ニーの様に破けてしまったら困りますわ。
私はテオルドの叫び声というBGMを聞きながら機嫌良く帰路につきました。
ああ~スッキリしましたわ!!!
1
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

【完結】22皇太子妃として必要ありませんね。なら、もう、、。
華蓮
恋愛
皇太子妃として、3ヶ月が経ったある日、皇太子の部屋に呼ばれて行くと隣には、女の人が、座っていた。
嫌な予感がした、、、、
皇太子妃の運命は、どうなるのでしょう?
指導係、教育係編Part1

逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

【完結】旦那様、お飾りですか?
紫崎 藍華
恋愛
結婚し新たな生活に期待を抱いていた妻のコリーナに夫のレックスは告げた。
社交の場では立派な妻であるように、と。
そして家庭では大切にするつもりはないことも。
幸せな家庭を夢見ていたコリーナの希望は打ち砕かれた。
そしてお飾りの妻として立派に振る舞う生活が始まった。

最後の思い出に、魅了魔法をかけました
ツルカ
恋愛
幼い時からの婚約者が、聖女と婚約を結びなおすことが内定してしまった。
愛も恋もなく政略的な結びつきしかない婚約だったけれど、婚約解消の手続きの前、ほんの短い時間に、クレアは拙い恋心を叶えたいと願ってしまう。
氷の王子と呼ばれる彼から、一度でいいから、燃えるような眼差しで見つめられてみたいと。
「魅了魔法をかけました」
「……は?」
「十分ほどで解けます」
「短すぎるだろう」

わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載


メイクした顔なんて本当の顔じゃないと婚約破棄してきた王子に、本当の顔を見せてあげることにしました。
朱之ユク
恋愛
スカーレットは学園の卒業式を兼ねている舞踏会の日に、この国の第一王子であるパックスに婚約破棄をされてしまう。
今まで散々メイクで美しくなるのは本物の美しさではないと言われてきたスカーレットは思い切って、彼と婚約破棄することにした。
最後の最後に自分の素顔を見せた後に。
私の本当の顔を知ったからって今更よりを戻せと言われてももう遅い。
私はあなたなんかとは付き合いませんから。

【完結】あの子の代わり
野村にれ
恋愛
突然、しばらく会っていなかった従姉妹の婚約者と、
婚約するように言われたベルアンジュ・ソアリ。
ソアリ伯爵家は持病を持つ妹・キャリーヌを中心に回っている。
18歳のベルアンジュに婚約者がいないのも、
キャリーヌにいないからという理由だったが、
今回は両親も断ることが出来なかった。
この婚約でベルアンジュの人生は回り始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる