メルモ伯爵令嬢は復讐に燃える

縁 遊

文字の大きさ
上 下
1 / 5

1. 完成しましたわ!

しおりを挟む




「フッフッフッ…。ついに、遂に完成しましたわ!神様、仏様、手◯治虫様、感謝します!」

 私…本当にやりましたわ~!!!

 …あら、人がいらしたのね、失礼しました。

 皆様、はじめまして。大きな声で驚かせて失礼しました。あまりにも嬉しくて興奮していましたもので…。

 え?なぜ興奮していたか…ですか。

 聞いてくださいますか。

 フフッ…遂に夢の薬を完成させたからですわ。

 そう、これは前世からの…。

 あっ、失礼しました。

 説明するには私の事を話さないといけません。

 実は、私は異世界転生者なんです。

 前世は日本の研究所で働く、アニオタ(アニメオタク)のアラサー女子で、いわゆる喪女でした。

 それが研究中に爆発事故が起きて呆気なく死亡。気がついたら、この異世界に転生していました。

 気がついた時は興奮しましたわ!

 だって、憧れの異世界転生…しかも美少女に転生できたんですもの!!

 日本人の時の黒髪とは違い、淡い藤の花の様な色の輝く髪と瞳…日本人が憧れる、真っ白な韓国アイドルの様な肌…。

 全てが完璧だと思いませんか?!

 あら、話がそれましたわ。

 コホンッ…ここからが、やっと本題ですわ。

 私は前世の知識を最大限に活かして夢の薬を完成させたのです。

 前世の知識…それは薬学研究をしていた知識とアニオタの知識を融合させたものですのよ。

 詳しく知りたいですか…。

 皆様はアニメにお詳しいですか?

 赤いキャンディー、青いキャンディー知ってるかい?

 このフレーズでピンときたアナタ!

 素晴らしいお仲間ですわ!!

 私の名前とこのフレーズ…そう、あの某有名アニメからヒントを得ましたの。

 そこでフルに活かしたのは薬学知識でしたが、この世界が魔法溢れるファンタジー世界だったことも成功の要因ですわね。

 前世では思い付いても成功できなかったと思いますもの。

 あら、また話が逸れてしまいました。

 私が完成させたもの…それは…。

 青い色の老いる薬と、赤い色の若返りの薬です。

 キャンディーにしたかったのですが、速効性が欲しかったので泣く泣く断念して、液体のポーション風にしましたの。

 手◯治虫先生…すいません。

 は~!!!

 誰かに言いたくて仕方がありませんが、でも言うわけにはいかないのが苦しいところです。

 前世なら同朋に自慢しまくりでしたわ~!!!

 くう~!!!ハンカチを噛みきるくらいの悔しさです!

 しかし、私はこれを使ってある人物達に復讐をしたいと思っているので、誰にも知られる訳にはいきませんのよ。

 ある人物とは、私の婚約者と婚約者の新しい恋のお相手です。

 文章がおかしい?いえ、これで合っています。

 私はまだ婚約解消をしていませんから。



 思い出したくもありませんが…あの時の話を皆様にしなくてはいけませんね。

 
 







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】旦那様、お飾りですか?

紫崎 藍華
恋愛
結婚し新たな生活に期待を抱いていた妻のコリーナに夫のレックスは告げた。 社交の場では立派な妻であるように、と。 そして家庭では大切にするつもりはないことも。 幸せな家庭を夢見ていたコリーナの希望は打ち砕かれた。 そしてお飾りの妻として立派に振る舞う生活が始まった。

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。 彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。 なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか? それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。 恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。 その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。 更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。 婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。 生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。 婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。 後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。 「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った

mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。 学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい? 良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。 9話で完結

平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした

カレイ
恋愛
 「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」  それが両親の口癖でした。  ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。  ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。  ですから私決めました!  王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。  

最後の思い出に、魅了魔法をかけました

ツルカ
恋愛
幼い時からの婚約者が、聖女と婚約を結びなおすことが内定してしまった。 愛も恋もなく政略的な結びつきしかない婚約だったけれど、婚約解消の手続きの前、ほんの短い時間に、クレアは拙い恋心を叶えたいと願ってしまう。 氷の王子と呼ばれる彼から、一度でいいから、燃えるような眼差しで見つめられてみたいと。 「魅了魔法をかけました」 「……は?」 「十分ほどで解けます」 「短すぎるだろう」

妻の死で思い知らされました。

あとさん♪
恋愛
外交先で妻の突然の訃報を聞いたジュリアン・カレイジャス公爵。 急ぎ帰国した彼が目にしたのは、淡々と葬儀の支度をし弔問客たちの対応をする子どもらの姿だった。 「おまえたちは母親の死を悲しいとは思わないのか⁈」 ジュリアンは知らなかった。 愛妻クリスティアナと子どもたちがどのように生活していたのか。 多忙のジュリアンは気がついていなかったし、見ようともしなかったのだ……。 そしてクリスティアナの本心は——。 ※全十二話。 ※作者独自のなんちゃってご都合主義異世界だとご了承ください ※時代考証とか野暮は言わないお約束 ※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第三弾。 第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』 第二弾『そういうとこだぞ』 それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。 ※この話は小説家になろうにも投稿しています。

父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです

珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。 その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。 そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。 そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。

王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~

由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。 両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。 そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。 王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。 ――彼が愛する女性を連れてくるまでは。

処理中です...