メルモ伯爵令嬢は復讐に燃える

縁 遊

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1. 完成しましたわ!

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「フッフッフッ…。ついに、遂に完成しましたわ!神様、仏様、手◯治虫様、感謝します!」

 私…本当にやりましたわ~!!!

 …あら、人がいらしたのね、失礼しました。

 皆様、はじめまして。大きな声で驚かせて失礼しました。あまりにも嬉しくて興奮していましたもので…。

 え?なぜ興奮していたか…ですか。

 聞いてくださいますか。

 フフッ…遂に夢の薬を完成させたからですわ。

 そう、これは前世からの…。

 あっ、失礼しました。

 説明するには私の事を話さないといけません。

 実は、私は異世界転生者なんです。

 前世は日本の研究所で働く、アニオタ(アニメオタク)のアラサー女子で、いわゆる喪女でした。

 それが研究中に爆発事故が起きて呆気なく死亡。気がついたら、この異世界に転生していました。

 気がついた時は興奮しましたわ!

 だって、憧れの異世界転生…しかも美少女に転生できたんですもの!!

 日本人の時の黒髪とは違い、淡い藤の花の様な色の輝く髪と瞳…日本人が憧れる、真っ白な韓国アイドルの様な肌…。

 全てが完璧だと思いませんか?!

 あら、話がそれましたわ。

 コホンッ…ここからが、やっと本題ですわ。

 私は前世の知識を最大限に活かして夢の薬を完成させたのです。

 前世の知識…それは薬学研究をしていた知識とアニオタの知識を融合させたものですのよ。

 詳しく知りたいですか…。

 皆様はアニメにお詳しいですか?

 赤いキャンディー、青いキャンディー知ってるかい?

 このフレーズでピンときたアナタ!

 素晴らしいお仲間ですわ!!

 私の名前とこのフレーズ…そう、あの某有名アニメからヒントを得ましたの。

 そこでフルに活かしたのは薬学知識でしたが、この世界が魔法溢れるファンタジー世界だったことも成功の要因ですわね。

 前世では思い付いても成功できなかったと思いますもの。

 あら、また話が逸れてしまいました。

 私が完成させたもの…それは…。

 青い色の老いる薬と、赤い色の若返りの薬です。

 キャンディーにしたかったのですが、速効性が欲しかったので泣く泣く断念して、液体のポーション風にしましたの。

 手◯治虫先生…すいません。

 は~!!!

 誰かに言いたくて仕方がありませんが、でも言うわけにはいかないのが苦しいところです。

 前世なら同朋に自慢しまくりでしたわ~!!!

 くう~!!!ハンカチを噛みきるくらいの悔しさです!

 しかし、私はこれを使ってある人物達に復讐をしたいと思っているので、誰にも知られる訳にはいきませんのよ。

 ある人物とは、私の婚約者と婚約者の新しい恋のお相手です。

 文章がおかしい?いえ、これで合っています。

 私はまだ婚約解消をしていませんから。



 思い出したくもありませんが…あの時の話を皆様にしなくてはいけませんね。

 
 







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