お嬢様は地味活中につき恋愛はご遠慮します

縁 遊

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24. 知り合い

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「久しぶりでーす、菫ちゃん元気してた?相変わらずキレイだね」

私の目の前に立ったのは学生時代の親友のお兄様でした。

ただ…この方は少し厄介な方なんですよね。

私の通っていた学校は規律の厳しい女学校で中学から大学まであるエスカレーター式の学校でした。

学生は全て寄宿舎で過ごし夏と冬に長い休みがありその時にみんな実家に帰省していたのですが…。

この親友の兄はその休みの前の日に必ず妹を迎えに来ていらっしゃいました…そこまでは良いのですがなぜか私も車に乗せられ親友の家に必ずさらわれていたのです。

因みに親友は日本人ではなくイタリア人ですわ。

お国柄なのか私はずっと移動中は口説かれ、親友の家に到着する頃には疲れてしまって熱を出し休みの最初は親友の家にお泊まりすると言うのが休みの決まりでした。

そう…この親友のお兄様誘拐癖があるのです。

どうしてここにいらっしゃるのかしら?

…は!考え事をしている間にハグされてしまっています。

「お兄様、離していただけますか?」

体を離そうと力一杯押し返してみましたがびくともしませんわ。

「あの、今日はラーナ…妹さんは一緒ではないのですか?」

「ラーナは来てません。今日は私の仕事で来ました」

残念ですわ…久しぶりに親友に会いたかったです。

「しばらく見ない間に菫ちゃん、また綺麗になった。そろそろ私と付き合いましょう」

出ました!休み前にずっと聞いていた口説き文句!

懐かしいですわ。

「菫ちゃん、もう大人です。妹にも怒られないよ」

あ~、最初に口説かれたのは13歳でしたね。

あの時はラーナが親友に手を出すなと怒ってくれました。

今は大人だから付き合うのに妹に口出しはさせないと言うことかしら?

まさかとは思いますが、この後いつもの様にさらわれたりしませんよね…。

ラーナのお兄様…ラウル様はたしか武道もされていたという記憶が…。

「失礼…ラウル、この人は私の婚約者だよ。口説いては駄目だよね」

突然、有宗さんが現れて、私の後ろからバックハグをしています。

何をさらっと密着しているんですか?!

「オー!残念です…。でも、私の愛は変わりません。待っています」

さすが、イタリア人ですね。

日本人なら恥ずかしくて口に出来ない様な言葉が普通に出てくるんですね。

「待っても無駄だよラウル。僕と菫は永遠に一緒だからね」

バックハグ体制のまま頭にキスをされましたー!

いや、ここ日本ですよ!

誰か私をこの場から逃がしていただけませんか!






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