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14. 約束
しおりを挟む最近、地味活を邪魔されている気がするのはきのせいなのかしら…。
偽装仮婚約者ができたり(派手な要注意危険人物)、以前に比べて会社の人達もコミュニケーションをとって来るようになっている…気がするのよね。
いったい、何がいけないのかしら…。
はあ~!
「藤堂さん、大丈夫かい?凄い溜め息が聞こえたけど」
島岡さんも以前はこんなに話しかけてくることはなかったと思うのですが…。
「申し訳ありません、大丈夫です」
私は気合いを入れ直しパソコンをうち始めた。
「そう?あ、この資料なんだけど相手先から分かりやすいって評判でね、今度の資料作りも藤堂さんに頼みたいんだけど良いかな?」
「分かりました。締め切りさえ教えていただければ作成します」
「ありがとう」
仕事を褒められるのは単純に嬉しいてますわ。
社長の娘だからではなく、私個人の能力を褒められていると感じる事ができますもの。
今まで地味に努力してきた結果が出ていると思うと顔がにやけてしまいますわ。
「どうしたの?顔が嬉しそうだけど何かあったの」
昼休み屋上でご飯を食べているとたちばなさんがやってきた。
「嬉しそうですか…。仕事を褒められたせいかもしれません」
「ふ~ん、事務って裏方だからあまり褒められる事がないの?でも、藤堂さんの作成した資料は見やすいし分かりやすいから僕も助かっているよ」
今日は褒め殺しデーなのでしょうか…。
「ありがとうございます」
「それに、森本先輩に何を言われても対応できるし僕的には藤堂さんは凄いなと思ってる」
屈託のないような笑顔…これが営業ナンバー1のスマイルなのですね。
「同期なのにご飯も行ったことが無いし、本当に今度一緒にご飯に行こうよ。いつもの御礼ということで…」
あ~、前回の続きみたいな感じですか。あの時は森本先輩が入ってきてどうしようかと思っていたんでしたよね。
あまり断り続けるのも社会人としては考えものでしょうか…。
「分かりました。お気遣い頂きありがとうございます」
「うわ、始めて藤堂さんがオッケーしてくれた…。嬉しい…。今日良い日なのかな…営業頑張ろう」
地味な私とご飯を一緒に食べるのがそんなに喜ぶ事なのでしょうか?
…理解出来ませんわ。
「じゃあ、今週の金曜日の仕事終わりなんてどうかな?予定がある?」
「いえ、大丈夫です」
「じゃあ、決まりだね。楽しみにしてるよ」
橘さんは話し終わるとすぐに屋上から降りて行きました。
一体何をしに来たのでしょうか。
森本先輩に分からない様にしないと…。
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