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19. 神様との話し合い
しおりを挟む実は神様に2人の子供に生まれ変わりたいとお願いした時、あれで終わりではなかったのだ。
あの後神様といろんなお話をした。
「でも具体的にどう復讐するかとか決めているの?」
「いえ、取り敢えずあの2人の近くにいればいくらでもチャンスはあると思うので考えながら復讐できるチャンスを待ちたいと思います」
私は2人のイチャイチャな姿を見せられて頭に血が登っている状態だったので興奮していた。
悪く言えば、何も考えないで勢いで発言していたという感じだろうか。
「君の今の状態ではきっと上手くいかないよ。取り敢えずは今できる事をしておこうよ」
今できることですか?
「そうだな…。まずは証拠品を集めておかないといけないよ」
証拠品ですか…。
「ピンとこないみたいだね。君はどうやって殺されたの?」
口移しに毒薬を飲まされて…。
「あっ!そうか…そうですね。毒薬の入っていた瓶とデリムが飲んだ毒消しの薬の瓶を持っていればいずれ役にたつかもしれませんね」
神様はうんうんと頷いていらっしゃいます。
「でも幽霊になった私ではあの瓶をどうすることもできません」
「君は誰と話しているのかな?僕に出来ないことはないよ」
神様はそう言うとブツブツと誰かに話しかけるように呟いています。
「あの~何をされているのですか?」
「ああ今、君の侍女のパルに瓶を回収して保管しておくように夢でお告げをしたんだよ」
そんなこともできるのですか?!
「あっ、それから瓶だけでは証拠品としては弱いから、とっておきのものを教えてあげよう」
「え?瓶だけだと駄目ですか?」
それだけで充分だと思っていました。
「そんなのは知らない!と言われたらそれで終わりだよ」
「確かにそうですね」
「いいかい、人間には皆指に指紋という模様があるんだ。これが不思議なことに一人一人が違う模様なんだよ。だから模様を調べれば誰が瓶を持っていたかがわかるんだ」
見せられた神様の指には指紋はありませんでしたけどね。
そんなのがあるなんて気がつきませんでした。
「それからもう1つ…。デリムは公爵家の今の使用人達を全員辞めさせるみたいだよ」
「え!そんな…酷い」
殆どの者が昔から働いてくれている人達なのに…。
「僕はねそこにも腹がたつから細工したよ。新しく雇う使用人は辞めさせられた元の使用人と関係あり、尚且つキャロルの事を知っている人達にしたんだ。別の言い方をすればデリムを良く思っていない人達だね。皆には僕が夢でお告げをしておくよ。キャロルが2人の娘として生まれ変わるから力を貸してあげてね…って」
「神様~!」
私は号泣した。
神様にここまで良くしてもらえるなんて…勿体ないことだ。
「君は生きている時、僕たちに毎日祈りを捧げながら綺麗に掃除もしてくれていた。感謝していたんだよ。だからこれはその恩返し…」
「ありがとうございます…」
やっぱり真面目に生きていて良かったこともあったんですね。
「転生したらシア王子も手伝ってくれるから頼るんだよ。僕も見守っているかね」
神々しい笑顔が眩しすぎます。
「はい。転生しても必ず毎日礼拝して掃除もピカピカに磨き上げるまでしますので…。本当にありがとうございました」
そういって私はこの世に転生した。
憎い2人の娘として…。
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