大好きな人に口づけされたら死にました

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16. 復讐始めました

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シア王子が私の両親に話があると言って今日はこの屋敷にやって来ることになっている。

両親は何を言われるのかと朝から落ち着きがない。

因みに、両親はシア王子が私の婚約者に内定した事は知らない。

知っていたら、婚約の話だろうかと思っていたかもね。

「シア王子様がご到着されました」

さあ、いよいよ始まりますね。

「シア王子様、ようこそ我が屋敷へ。此度はどのようなご用件でしょうか…」

お父様の唾液を飲み込む音が聞こえました。

かなり緊張していますね。

「屋敷の中がスッキリしているな。引っ越しでもするのか?」

おっ、シア王子嫌み攻撃です。

「い、いえ、不要品を廃棄しただけでございます」

お父様、噛んでますよ。

「ほ~、そうか」

チラッとお父様の顔をシア王子が見た。

お父様の冷や汗が凄いです。

まだまだこれからなのに…。

「シア王子様、特別なお茶を御用意しておりますのでお座りになって下さい」

お母様が空気を読まず声をかけました。

変わりませんね。

「特別なお茶…か。ハハハッ…、まさか毒いりとかではないよな」

シア王子が笑いながら冗談ぽく言っているが、両親は笑っていない。

「冗談も通じないか。仕方ないな…本題に入るか。今日来たのは私の亡くなった従姉のキャロルの事について話があったからだ…」

うわ~、両親の顔色がどんどんと青くなっていきます。

「キ…キャロルのことですか」

お父様また噛んでいますわ。

「手紙がね出てきたんだよ。それを公爵に読んでもらおうと思ってね」

うわ~、シア王子が悪い笑顔してますよ。

「て、手紙ですか」

「これだ、これは写しだが内容は同じだからね」

そう言ってデリム達の前に手紙を開けて置いた。

デリムとアデレイトは手紙に顔を近づけて読んでいる。


   シア王子様へ

この手紙が届く頃には私はもうこの世には居ないでしょう。

何故なら婚約者のデリムと幼馴染みのアデレイトが私を殺して公爵家を乗っ取るつもりだからです。

私は偶然に2人の話を聞いてしまったのです。

毒薬で私を殺すと…。

いつ実行されるかは分かりません。


ですからある方に協力をお願いしています。

もし私が亡くなったら手紙を保管して10年後にシア王子様に渡してほしいとその方にお願いしました。

今は幼いシア王子様も10年後には立派な大人になられて事件の真相を突き止めてくださると信じています。

それまでは揉み消されないように隠しています。

ですが…。

もし、10年後にデリム達に子供が出来ていたのならその子に罪はありません。

私は公爵家を潰したくは無いのです。

難しい事だとはわかっていますが、できればその子に公爵家を継がせてほしいと思います。

罰するのは両親だけにしてほしいのです。

証拠も隠してあります。

協力者が隠してくれているはずです。

その証拠を使って必ず2人に復讐を!

そうでなければ死んでも死にきれません!

こんな事をシア王子様にお願いするのはどうかと思い迷いましたが、私には頼れる人はシア王子様しかいないのです。

どうか、どうか…私の最後の願いを叶えてください。


           キャロル



あらら、デリムもアデレイトも顔が青を越えて白色になってますわ。

手紙は全部読めたようですね。

面白くなるのはまだまだこれからですわ!

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